塩野義製薬は12月23日、新型コロナ治療薬エンシトレルビルフマル酸（日本の製品名：ゾコーバ錠）の中国での輸入・流通契約について平安塩野義有限公司を通じ上薬控股有限公司と締結したと発表した。すでに平安塩野義が同剤の新薬承認申請に向け、中国国家薬品監督管理局への資料提出を開始している。製造販売承認が得られ次第、上薬控股と協力して中国国内への安定供給を実施する。

上薬控股は、上海と香港の証券取引所に上場している大手製薬グループの上海医薬集団股份有限公司の子会社で、医薬品流通に特化した企業。中国国内で３万施設以上の医療機関をカバーする流通ネットワークを有する。上薬控股は、今回の輸入・流通契約に基づき製造販売承認取得後のエンシトレルビルの独占的な中国国内への輸入と卸への販売を担う。

また、今回の契約締結に伴い、平安塩野義と上海医薬は、新薬の輸入とともに中国国内での流通・製造や、ジェネリック医薬品の販売ネットワークの拡大など、様々な協業について検討することも合意した。