サノフィ デュピクセントのアトピー性皮膚炎適応、生後6カ月以上の小児用法追加を一変申請
公開日時 2022/10/27 04:49
サノフィは10月26日、ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体・デュピクセント(一般名:デュピルマブ(遺伝子組換え))について、アトピー性皮膚炎における生後6カ月以上の小児に対する用法・用量追加を一変申請したと発表した。具体的な小児の用法・用量は非開示。同剤は現在、アトピー性皮膚炎に対し、既存治療で効果不十分な成人(15歳以上)の適応をもっている。
中等症から重症のアトピー性皮膚炎では、ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤などの抗炎症外用剤による治療を一定期間実施しても十分な効果が得られず、高頻度かつ長期間の再燃が認められる場合がある。現在、15歳未満の患者に対する全身療法の治療選択肢は限られており、なかでも12歳未満の患者に対し、分子標的薬を用いた治療法は国内で承認されていない。
今回の申請は国内第3相臨床試験に基づく。多施設共同、ランダム化、プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験で、中等症から重症のアトピー性皮膚炎と診断され既存治療で効果不十分な生後6カ月以上18歳未満の日本人小児患者62人が組み入れられた。ステロイド外用剤(TCS)を標準治療薬とし、デュピクセントを併用した群と、プラセボ投与群を比較した。
その結果、主要評価項目である16週時点でのEASI-75(EASIスコアがベースラインから75%以上の改善)を達成した患者の割合は、デュピクセント投与群は43%、プラセボ投与群は19%で、有意な改善が認められた(p=0.0304)。安全性データは、デュピクセントで確立されている安全性プロファイルと一致し、新たな有害事象は報告されなかった。