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塩野義製薬 教育支援のサービス提供会社「Yui Connection」を新設 HaaS実現で新事業スタート

公開日時 2022/10/26 04:50
塩野義製薬は10月25日、小中学校向け教育支援サービスを手掛けるYui Connection(本社:大阪市中央区、高野修一社長)を設立したと発表した。発達障害などを背景に、いじめや不登校など学校生活に悩みを抱える児童・生徒が増加傾向にあるなか、学級運営に苦慮する教員らを支援するシステムを提供する。気になる児童生徒に関する質問に回答することで、AIが考え方や行動のパターンを分析・表示し、対応すべきポイントを把握できるというもの。同社は、「より良い教育環境づくりに注力するほか、学童期から成人に向けた事業展開を推進することで、すべての人々が活躍できる持続可能な社会の実現に貢献していきたい」としている。

Yui Connection社が提供する「結-EN(Yuien)」は、教員が気になる児童生徒について、身体面・情緒面・生活面・学習面に関する82項目の質問に答えることで、AIが自動的にその児童生徒の行動や性格、特性などについて評価するというもの。教員は一人ひとりの児童生徒について、何が原因となって、どんなところで困っているのかを把握できるうえに、適切な教育プランが提案されるため、対応すべきポイントを把握できる。情報は全教員に共有できる機能もあるため、学級や学年を超え、全学年一体となった教育へつなげることも可能となる。すでにサービスの提供を開始しており、複数自治体の20以上の小中学校でサービスが導入されている。

◎中期経営計画に掲げた「HaaS(Healthcare as a Service)企業」実現への取り組みの1つ


同事業は、塩野義製薬が中期経営計画「STS2030」に掲げた「HaaS(Healthcare as a Service)企業」を目指すための取り組みの1つ。HaaSとは、ヘルスケア全体をサービス業としてとらえ、価値提供する製薬企業を実現するという概念で、医療やヘルスケア関連のビッグデータを活用し、従来の医療用医薬品のみを提供する「創薬型製薬企業」から、「ヘルスケア・プロバイダー」へと変革するという決意が込められている。

教育現場をめぐっては、いじめや不登校などの悩みを抱える児童生徒の認知件数が増加傾向にある。解決に向けたこども家庭庁の新設や個別最適な教育施策の検討が進められているものの、教員不足などにより、教育現場の負担は増加し、リソース確保も困難という問題があった。

このため同社では、「Yui Connection社の設立を皮きりとして、各個人のライフステージにおけるニーズに応じたソリューションの開発、提供を通して、社会課題の解決に取り組むことで、引き続き、HaaS企業への変革に向けて取り組んでいく」とコメントしている。

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