久光製薬 22年度第2四半期 国内医療用薬2.7%減収 ジクトルテープは整形外科や内科の営業強化へ
公開日時 2022/10/13 04:50
久光製薬は10月12日、2022年度第2四半期(22年3~8月)の国内医療用医薬品売上が263億4300万円、前年同期比2.7%減だったと発表した。6月に腰痛症などの効能を追加した経皮吸収型持続性疼痛治療薬・ジクトルテープは伸長したものの、4月の薬価改定や後発品使用促進の影響を吸収できなかった。最主力品の経皮鎮痛消炎剤・モーラステープ群は売上137億9800万円で11.4%の減収となった。
◎ジクトル 22年度上期9億円 通期目標60億円
ジクトルは21年5月に「各種がんにおける鎮痛」の効能・効果で発売。22年6月に「腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎」の効能を追加した。この効能追加により22年度上期の売上は9億1300万円となり、前年同期から8億3100万円伸びた。同社は同日の決算説明会で、ジクトルの今後のMR活動について、「NSAIDsを含有する全身性の経皮吸収型製剤の特長を、がん治療医だけでなく、整形外科医や内科医など幅広い診療科の医師にも適切に伝え、価値最大化を図る」と話した。22年度は通期で売上60億円を目指す。
◎ジクトルとモーラス 「大きなカニバリとは考えていない」
ジクトルが伸長することでモーラスの売上に影響があるかどうかでは、ジクトルは全身性の貼布剤なのに対しモーラスは局所性であることから、「カニバリゼーションは全くゼロとは考えていないが、大きなカニバリとは考えていない」と説明した。
モーラステープは22年4月の薬価改定で、テープL40mg製剤は6.0%の薬価引き下げを受けた。テープ群として今回2ケタ減収となったのは薬価改定影響、後発品影響、収益認識に関する会計基準を適用したことによるものだとした。
22年度上期の医療用医薬品売上は339億3500万円(前年同期比0.1%増)だった。国内は減収だったが、海外は円安効果もあって売上が75億9200万円(同11.3%増)となり、同社全体の医療用薬売上を前年同期並みまで押し上げた。
◎連結業績 物流費増加で営業利益13.9%減 為替差益で経常利益29.7%増
22年度上期の連結業績は売上596億1900万円(同1.8%増)、営業利益49億1300万円(同13.9%減)、経常利益88億7000万円(同29.7%増)、親会社帰属純利益65億400万円(同30.0%増)――だった。
連結売上は円安効果と海外のサロンパス(一般用医薬品)で、国内事業をカバーした。営業減益は海上輸送費の高騰などによる「物流費の増加」が影響した。一方で、経常増益は、主に為替差益の増加によるもので、営業外収支が28億2600万円増の39億5600万円となった。経常利益が増加したことで親会社帰属純利益も増益となった。
なお、会計基準の変更により、22年度上期の売上は14億2500万円減少。営業利益及び経常利益はそれぞれ2億9700万円増加した。
【連結業績(前年同期比) 22年度予想】
売上高 596億1900万円(1.8%増) 1230億円
営業利益 49億1300万円(13.9%減) 111億円
親会社帰属純利益 65億400万円(30.0%増) 97億円
【国内主要製品売上(前年同期実績) 22年度予想 億円】
モーラステープ群 137.98(155.67) 252
モーラスパップ群 20.21(24.45) 40
ジクトルテープ 9.13(0.82) 60
ハルロピテープ 15.37(17.80) 46
フェントステープ 19.99(19.12) 33
アレサガテープ 1.92(2.03) 4