イドルシア 不眠症治療薬・ダリドレキサント 23年上半期に承認申請予定 新たに営業体制構築へ
公開日時 2022/10/04 04:51
イドルシア ファーマシューティカルズ ジャパンは10月3日、不眠症治療薬・ダリドレキサント(一般名、開発コード:ACT-541468)について、2023年上半期(1~6月)に日本で承認申請する予定と発表した。MRを増員し、ダリドレキサントを取り扱う営業チームを新たに構築する。同社によると、現在、脳血管痙縮発症抑制薬・ピヴラッツ点滴静注液の情報提供・収集活動を行うMR(人数非開示)がいるが、ダリドレキサントはピヴラッツのチームとは別組織で情報活動を行う方針。
ダリドレキサントはデュアルオレキシン受容体拮抗薬で、オレキシン受容体の2種のサブタイプのOX1RおよびOX2Rに対し拮抗作用を持つ。持田製薬と日本における共同開発・共同販売契約を締結している。イドルシアは低分子化合物の発見と開発に特化した製薬企業で、本社をスイスのバーゼルに置く。
◎国内第3相試験 不眠症患者の総睡眠時間などで有意な改善確認
イドルシアはこの日、ダリドレキサントの有効性及び安全性を検討するための国内無作為化二重盲検プラセボ対照第3相試験で、主要評価項目及び副次的評価項目とも「目的を達成した」と発表した。試験は高齢の不眠症患者490例(65歳以上を30.1%含む)を対象に、ダリドレキサント50mg群、同25mg群、プラセボ群に無作為化し、1日1回28日間投与した。
その結果、ダリドレキサントは総睡眠時間(sTST)の 28 日目におけるベースラインからの変化をプラセボに比べ有意に改善させた(50mgでP<0.001、25mgでP=0.042)。また、ダリドレキサントは睡眠潜時(sLSO)の28日目におけるベースラインからの低下をプラセボに比べ有意に改善した(50mgでP<0.001、25mgでP=0.006)。
有害事象の発現割合は、ダリドレキサント50mg群で23.5%、25mg群で22.7%、プラセボ群で24.4%――で、ダリドレキサントのいずれの投与群もプラセボと同程度だった。発現率が3%を超え、プラセボよりも発現割合が最も高かった有害事象は傾眠(ダリドレキサント50mg群で6.8%、ダリドレキサント25mg群で3.7%、プラセボ群で2.4%)、発熱(同0.6%、3.7%、1.2%)だった。