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サンバイオ・森社長 審査中の再生細胞薬SB623「手応え、自信をもっている」 承認後見据え社内体制整備

公開日時 2022/09/16 04:50
サンバイオの森敬太社長は9月15日、23年1月期第2四半期決算説明会で、先駆け審査指定制度の枠組みで承認審査中の再生細胞薬「SB623」について、「当局との話は非開示」と断りながらも、「私どもとして手応え、自信をもっている」と述べ、早期の製造販売承認取得を見据えた体制整備に努める方針を強調した。当初見込んだ8月の薬食審再生医療等製品・生物由来技術部会で議題にのぼらず、9月中の承認取得が叶わなかったことに対するコメント。薬価収載にむけた情報収集や、販売・流通体制構築などに引き続き注力する考えを強調した。

再生細胞薬「SB623」は、外傷性脳損傷に対する治療薬として先駆け審査指定制度の対象品目に指定され、3月7日に厚労省に再生医療等製品製造販売承認申請を行った。優先審査における総審査期間の目標は6か月とされていることから、同社としては、9月前後にPMDAの判断が下されると期待していた。厚労省の薬食審再生医療等製品・生物由来技術部会の今後の開催予定は未定。ただ、同部会は通常3~4か月に1回程度の開催となることから、仮に年内に部会が開催され、SB623 を審議し、承認すれば年内発売の可能性もある。

森社長は、「再生医療、そして脳の再生を実現するという意味で、ダブルブラインド(二重盲検法)の治験でしっかりエンドポイントを満たしている。私どもとしては手応え、自信をもっている」と強調した。また、先駆け審査指定制度の対象品目として評価されたことに絡めて、「再生医療を極めていくという大きな方針のもと、当局(PMDA)の方々は非常に力を入れてやって頂いていると思っている。そこについて何ら変わっていると感じてはいない」と述べた。

◎「R-SAT」の特許取得を報告 薬価収載を見据えて必要な情報収集にも着手

一方で製造販売承認後を見据えた準備状況も公開した。国内販売体制については、適正な販売情報提供活動を行うためのコンプライアンス体制の社内構築を完了した。また流通体制では、スズケンと共同開発した再生医療等製品における流通管理・投与スケジュールサポートシステム「R-SAT」の特許取得を報告。再生医療等製品を使用する患者が医療機関に登録された段階から、製品の製造、出荷、医療機関への配送、投与後のフォローまでを支援する管理システムについての実装準備を行っているとした。このほか承認取得後の薬価収載についても、必要な情報収集を行っているほか、薬価申請資料の作成準備を進めているとした。

◎業績予想修正 営業損失81億3100万円 承認取得に向けた製造関連費用の増加見込む 

この日の説明会では、23年1月期連結業績予想の修正が報告された(9月14日発表)。当初予想の営業利益▲58億5800万円を、▲81億3100万円に修正するもの。営業損失の修正理由について同社は、「SB623」の慢性期外傷性脳損傷プログラムの承認取得に向けた製造関連の費用が膨らんだことをあげた。また、米ドルの円安傾向による費用の換算差額が発生していることや、商用生産用の貯蔵品を研究開発に使用することを決定し、研究開発費に計上したことなどをあげた。
 
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