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後発品追補収載 痛風治療薬・フェブリクに13社50品目参入 12成分で初収載

公開日時 2022/06/16 04:52
厚生労働省は6月16日、2022年6月の後発品の薬価基準追補収載を官報告示した。17日に収載される。初後発品(投与経路別)は12成分85品目。初後発品のうち収載企業が最も多いのは痛風・高尿酸血症治療薬・フェブリク(一般名:フェブキソスタット)の13社50品目で、このうち第一三共エスファの製品はオーソライズド・ジェネリック(AG)となる。一方で、2月に承認された抗凝固薬・イグザレルトの後発品(AG)は今回収載されなかった。

文末の「関連ファイル」に、今回収載された初後発品の一覧表などを掲載しました(会員のみダウンロードできます。14日間の無料トライアルはこちら)。

初後発12成分はすべて、先発品が新薬創出等加算品か、過去に新薬創出等加算の対象だったが累積加算額を返還していない品目だった。このため後発品薬価は、先発品薬価からこれまでの同加算分を差し引いた上で原則0.5掛けするが、フェブリク後発品はルールに基づき0.4掛けとなる。後発品薬価は官報で明らかになる。

帝人ファーマのフェブリクは21年度に388億円を売り上げた大型品。この市場に第一三共エスファのほか、Meiji Seikaファルマ、アルフレッサ ファーマ、キョーリンリメディオ、沢井製薬、東和薬品、日新製薬、日本ジェネリック、陽進堂、日本ケミファ、ニプロ、辰巳化学、日本薬品工業――の後発品が参入する。第一三共エスファ、沢井製薬、東和薬品、日本ジェネリックの4社の後発品の適応は、先発品と同じく「痛風、高尿酸血症」と「がん化学療法に伴う高尿酸血症」を持つ。このほか9社の後発品の適応は「痛風・高尿酸血症」のみとみられる。

◎サムスカに5社5品目参入 後発品適応は「肝硬変における体液貯留」のみ

フェブリク以外の初後発品は、▽サムスカ▽エルカルチンFF錠▽エルカルチンFF静注▽ロトリガ▽ロゼレム▽ビダーザ▽トラマール▽スプリセル▽トレアキシン▽ヤーズ▽テリボン――の後発品となる。

大塚製薬の水利尿薬・サムスカ(トルバプタン)には、トーアエイヨー、大塚製薬工場、第一三共エスファ、ニプロ、東和薬品――の5社5品目が参入する。このうち大塚製薬工場の製品はAGとなる。サムスカも21年売上が730億円の大型品だが、AGを含む後発品の適応は「肝硬変における体液貯留」のみとなる。

先発品の適応のうち、▽SIADHにおける低ナトリウム血症の改善▽ADPKDの進行抑制――は再審査期間中。「心不全における体液貯留」は大塚製薬と後発品企業で特許係争が続いており、現時点で後発品に「心不全における体液貯留」の適応は承認されていない。

大塚製薬の製品では、カルニチン欠乏症治療薬・エルカルチンFF錠(レボカルニチン)と、同エルカルチンFF静注にもそれぞれ後発品が参入する。錠剤には東和薬品の2品目、注射剤には東和薬品、扶桑薬品、ニプロ――の3社3品目が参入する。

◎ロトリガとロゼレムにAG登場

武田薬品の高脂血症治療薬・ロトリガ(オメガ‐3脂肪酸エチル)には武田テバファーマ、陽進堂、東和薬品、ニプロ、森下仁丹――の5社5品目が参入。このうち武田テバの製品はAGとなる。ロトリガの21年度売上は327億円。さらに武田薬品の不眠症薬・ロゼレム(ラメルテオン)にも、武田テバのAGが参入する。

◎ビダーザに3社5品目参入 シオエ製薬のAG収載されず

日本新薬の2製品にも後発品が参入する。ひとつは同社主力品で21年度売上が183億円だった骨髄異形成症候群治療薬・ビダーザ(アザシチジン)で、沢井製薬、大原薬品、日本化薬――の3社5品目が参入する。日本新薬グループのシオエ製薬のAGも2月に承認されたが、シオエのAGは今回収載されていない。もう1剤は、がん疼痛・慢性疼痛治療薬・トラマール(トラマドール塩酸塩)で、寿製薬の2品目が参入する。

◎スプリセルは4社8品目 トレアキシンは東和の後発品のみ

ブリストル・マイヤーズ スクイブの抗がん剤・スプリセル(ダサチニブ)には、沢井製薬、東和薬品、日本ジェネリック、日本化薬――の4社8品目が参入する。後発品の効能は「再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病」のみで、先発にある「慢性骨髄性白血病」は含まれない。

シンバイオ製薬の抗がん剤・トレアキシン(ベンダムスチン)には、東和薬品の2品目が参入する。ファイザー、Meiji Seikaファルマ、コーアイセイ――の後発品も2月に承認されたが、薬価収載は東和薬品の後発品のみとなる。先発品は、▽低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫▽再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫▽慢性リンパ性白血病▽腫瘍特異的T細胞輸注療法の前処置――の4つの適応を持つが、東和の後発品はこのうち慢性リンパ性白血病を除く3つの適応を持つ。

◎特許係争中のテリボン 沢井製薬の1品目収載へ

バイエル薬品の月経困難症治療薬・ヤーズ(ドロスピレノン・エチニルエストラジオール)に、あすか製薬の1品目が参入する。ヤーズ後発品の製品名は「ドロエチ配合錠」。

旭化成ファーマの骨粗鬆症治療薬・テリボン(テリパラチド酢酸塩)にも、沢井製薬の1品目が収載される。テリボンは旭化成ファーマの主力品で、21年度売上は382億円。旭化成ファーマは沢井製薬に対し、テリボン後発品の製造販売差し止めなどを求める特許侵害訴訟を大阪地裁に起こすなどしているが、沢井製薬は今回、薬価収載に踏み切った。

【訂正】月経困難症治療薬・ディナゲスト錠0.5mgの後発品(AG)について当初、「今回収載されなかった」と記載しましたが、改めて確認したところ薬価収載されておりました。下線部の表記に訂正しました。(6月16日10時40分)
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