中医協総会 BMSの再生医療等製品・アベクマの薬価収載了承 1患者あたり3264万円
公開日時 2022/04/14 04:49
中医協総会は4月13日、ブリストル・マイヤーズスクイブの多発性骨髄腫治療に用いる再生医療等製品・アベクマ点滴静注(一般名:イデカブタゲン ビクルユーセル)の薬価収載を了承した。薬価は1患者あたり3264万7761円。ピーク時売上予想は10年後に49億円。同製品は4剤目のCAR-T細胞製品だが、多発性骨髄腫を適応とするのは今回が初めて。4月20日に薬価収載される予定。
収載される再生医療等製品は以下のとおり(カッコ内は成分名と収載希望会社)
▽アベクマ点滴静注(イデカブタゲン ビクルユーセル、ブリストル・マイヤーズスクイブ)
効能・効果:再発又は難治性の多発性骨髄腫。ただし、▽BCMA抗原を標的としたキメラ抗原受容体発現T細胞輸注療法の治療歴がない▽免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む3つ以上の前治療歴を有し、かつ、直近の前治療歴に対して病勢進行が認められた又は治療後に再発した――のいずれも満たす場合に限る
薬価:1患者当たり3264万7761円(1日薬価:3264万7761円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数149人、販売金額49億円
加算:なし
新薬創出等加算:主な理由「希少疾病用再生医療等製品として指定」
費用対効果評価:該当しない
CAR-T細胞製品。同製品としては4剤目だが、多発性骨髄腫を適応とするのは今回が初めて。患者抹消由来のT細胞に、遺伝子組換えレンチウイルスベクターを用いてヒトB細胞成熟抗原(BCMA)を認識するCARを導入し培養・増殖させたもの。医薬品と同様に薬理的作用による治療効果を期待して、静脈内投与で用いる。3つ以上の前治療歴などの後に用いるラストライン的な治療選択肢となる。
同製品が多発性骨髄腫細胞の表面にあるBCMAを認識し結合すると、CAR-T細胞が増殖しサイトカインが放出され、結果として、BCMA発現細胞が融解・殺傷される。