久光製薬・22年2月期決算 国内医療用薬事業4.5%増収 抗パーキンソン病薬ハルロピテープ伸長で
公開日時 2022/04/11 04:48
久光製薬はこのほど、2022年2月期(21年3月~22年2月)の国内医療用医薬品事業の売上が545億4600万円で、前期比4.5%増だったと発表した。経皮吸収型抗パーキンソン病薬ハルロピテープの伸長やデジタルマーケティングの効果的な活用により、21年4月の薬価改定(中間年改定)や継続的な医療費抑制策による減収影響を吸収した。
19年12月発売のハルロピテープが36億1400万円(前期比204%増)を売り上げ、国内医療用薬事業の増収に寄与した。Web講演会や、エムスリー提供のリモートコミュニケーションプラットフォーム「my MR君」、自社の医療関係者向け情報サイト「Hisamitsuサポートウェブ」といったデジタルツールを効果的に活用。最主力品で300億円超の売上げがある経皮鎮痛消炎剤モーラステープ群は4.7%の減収にとどめた。なお、21年4月改定で同社は3%台前半の薬価改定影響を受けた。
◎23年2月期国内予想 モーラステープ群20%減収
23年2月期の国内医療用薬事業の売上は547億円と予想した。前期比0.3%増と、ほぼ横ばいを目指す。製品別にみると、モーラステープ群の国内売上は252億円、前期比20%減と予想する一方で、ハルロピテープは46億円(前期比27%増)、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を含有する経皮吸収型製剤ジクトルテープは60億円(前期売上2億円)を達成するなどし、モーラステープ群の減収影響を吸収する計画をたてた。
大幅増収を目指すジクトルテープは、がん疼痛に対する効能・効果を有するNSAIDsなどの非オピオイド鎮痛剤として初の貼付剤で、21年5月に発売した。21年8月には腰痛症、肩関節周囲炎、頚肩腕症候群、腱鞘炎への効能追加を一変申請している。
同社は22年4月の薬価改定で約5%の影響を受けた。また、22年度診療報酬改定で湿布薬の1処方上限が現行70枚から63枚に適正化することになり、特にモーラステープ群などに影響が出ると予想している。
◎連結業績は増収・営業減益
連結業績は、22年2月期は売上高1201億9300万円(前期比5.0%増)、営業利益93億3700万円(同12.5%減)、親会社帰属純利益96億5800万円(同4.4%増)――。国内医療用薬事業と、日本及び海外の一般用医薬品事業の売上が好調だった一方で、販促活動費や物流費が増加して利益を圧迫した。23年2月期は売上高1230億円(同2.3%増)、営業利益111億円(18.9%増)、親会社帰属純利益97億円(同0.4%増)――を目指す。
【21年度連結業績(前年同期比) 22年度予想】
売上高 1201億9300万円(5.0%増) 1230億円
営業利益 93億3700万円(12.5%減) 111億円
親会社帰属の純利益 96億5800万円(4.4%増) 97億円
【21年度の主要製品の国内売上(前年同期実績) 22年度予想 億円】
フェントステープ 35.07(35.69) 33
ネオキシテープ 4.80(5.00) -
アブストラル舌下錠 2.04(2.05) -
アレサガテープ 4.22(2.91) 4
ハルロピテープ 36.14(11.85) 46
ジクトルテープ 2.38(-) 60
モーラステープ 315.13(330.73) 252
モーラスパップ群 48.46(51.25) 40
うちモーラスパップXR群 36.44(37.74) -