合同会社Kiku塾代表菊岡正芳前回第26回では令和版「ＭＲの商売道具と能力開発」について記した。医療のパートナーとして医療者との対話のために必要な力は、話す力と同様に、医師から深い情報を聞き出す「聴く力」。ＭＲ教育センターの手引きに「聴く力」の言及はなく、ＭＲのスキル面では「伝える」「話す」が中心であり、製薬会社の多くは「聴く力」に注力していないと感じる。ＭＲが聴く力を高めると医療者との面談内容に変化が現れる。医療者が薬剤の使用患者を語ってくれたり、困っている患者の相談を始めたりする。新しい処方を獲得するために困っている患者に焦点を当てる傾向にあるが、今回は薬剤の「満足している点を聴く」ことを考える。現在の治療の困っている点と満足している点の聴き方医師は薬剤を使うとき、患者さんの良い変化を期...