厚労省 「医薬産業振興・医療情報審議官」を22年夏新設 経済課は医薬産業振興・医療情報企画課に名称変更
公開日時 2021/12/27 04:50
厚生労働省は、2022年夏を目途に、「医薬産業振興・医療情報審議官」を新設し、医政局に特定医薬品開発支援・医療情報担当の参事官を配置する。新型コロナワクチンの開発が海外に比べて遅れたことを踏まえ、厚労省の体制を強化することで、ワクチンや治療薬など医薬品開発の支援を行う。このほか、健康局参事官(予防接種担当)を設置し、感染症対策を行うほか、予防接種を推進する体制を強化する。
政府が6月に閣議決定した「ワクチン開発・生産体制強化戦略」では、「ワクチンを国内で開発・生産・供給する、という観点が必ずしも政策に強く反映されてこなかったことについては、厚生労働省の体制にもその一因があると考えられ、平時から企業支援を行うためには、厚生労働省の体制強化及び関連部局間の積極的な人事により多様な経験を積むことも必要」と指摘。厚労省内に、ワクチンや治療薬の企業開発支援に加え、日本医療研究開発機構(AMED)内の先進的研究開発戦略センター(SCARDA)への助言、ワクチンや治療薬などの原材料・資材の国内自給による安定供給を目指した国産化の促進や、必要な場合には備蓄を検討したり、緊急時にはワクチンや治療薬等を確保するための企業との交渉も行ったりする体制を構築する必要性を指摘。医薬品の安全性や有効性を監督する医薬生活衛生局とは別の部署の設置を求めていた。あわせて、医療情報の利活用を推進する。新設される、医薬産業振興・医療情報審議官は部局長級で、国会答弁などに対応する。
厚労省が9月に策定した、「医薬品産業ビジョン2021」でも、必要な医薬品産業政策を迅速、着実に推進する観点から、医薬品関係の組織体制の強化を図る必要性を指摘していた。
◎経済課は「医薬産業振興・医療情報企画課」、研究開発振興課は「研究開発政策課」に名称変更
体制は、医政局経済課は「医薬産業振興・医療情報企画課」、研究開発振興課は「研究開発政策課」に名称を変更する。このほか、大臣官房企画官(医薬産業振振興・医療情報担当)、大臣官房企画官(感染症対策担当)を設置する。