武田薬品 遺伝性血管性浮腫治療薬フィラジルの小児適応を一変申請
公開日時 2021/12/13 04:50
武田薬品は12月10日、遺伝性血管性浮腫(HAE)の急性発作の治療薬フィラジル皮下注30mgシリンジ(一般名:イカチバント酢酸塩)について、小児治療に対する一変申請を行ったと発表した。
今回の申請は、主に2歳以上18歳未満の小児にフィラジルを皮下投与したときの安全性、有効性、薬物動態を評価した国内第3相非盲検試験や海外第3相非盲検試験の結果に基づくもの。承認された場合、小児患者にとっては国内初のHAE急性発作に対する治療選択肢となる。
同剤は発作の原因であるブラジキニンの作用を直接的に阻害する唯一のHAE治療薬で、1回の注射で速やかにHAEの発作症状を緩和させることが期待できる。皮下投与による自己投与可能な唯一のプレフィルドシリンジ製剤でもあり、学校や仕事場などの外出時や夜間などに急な発作が起こった場合でも、その場で速やかな治療ができる。
HAEは、C1インアクチベーターの量的または質的な欠損により、腹部、顔面、足、性器、手、喉などの身体の様々な部位に繰り返し浮腫発作を起こす希少な遺伝性疾患。喉に発生した場合は気道がふさがり呼吸困難を起こし、窒息死する危険もある。