塩野義製薬 軽症・無症候患者対象の経口新型コロナ治療薬 国内第2/3相臨床試験を開始
公開日時 2021/09/29 04:51
塩野義製薬は9月28日、新型コロナ治療薬として開発中の経口投与型抗ウイルス薬(開発番号:S-217622)について、27日に国内第 2/3 相臨床試験を開始したと発表した。試験では、軽症もしくは無症候の新型コロナ患者を対象に、プラセボ群を対照群に据え、同剤を1日1回、5日間経口投与した際の有効性・安全性を検証する。
臨床試験の対象となる軽症や無症候の新型コロナ患者は、自宅療養や宿泊療養が中心となっていることから、治験実施医療機関の協力のもと、医療機関での実施に加えて、医師や看護師の派遣による宿泊療養者なども含めるとしている。
S-217622は、北海道大学と同社の共同研究から創製された 3CL プロテアーゼ阻害薬。新型コロナウイルスは、ウイルスの増殖に必須な3CLプロテアーゼを有しており、同剤は3CLプロテアーゼを選択的に阻害することで、ウイルスの増殖を抑制する。同剤は、2021 年 7 月より国内第 1 相臨床試験を開始しており、同社によると現時点で、安全性上の大きな問題は認められていないとしている。また、薬物動態についても、「目標とする血中薬物濃度を上回る良好な結果が確認されている」としている。