厚労省 新型コロナの医療用抗原検査キット 薬局での販売を解禁 薬剤師の指導求める
公開日時 2021/09/28 04:50
厚生労働省は9月27日、新型コロナウイルスの医療用抗原検査キットについて、薬局での販売を特例的に解禁した。薬剤師により、必要な情報提供や薬学的知見に基づく指導などを行ったうえで、販売することを認める。抗原検査は30分程度で簡便に結果がわかる。検査キットを入手しやすくすることで、家庭などで、体調が気になる場合などにセルフチェックとして活用してもらうことで、感染拡大の防止につなげたい考え。
抗原検査キットはこれまで、未承認のものが、研究用としてインターネットや薬局などで市販されていたが、精度などに課題があり、性能が確認されたものではない。今回、対象となるのは、承認を受けた15製品。
◎情報提供に患者署名も
厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部と厚生労働省医薬・生活衛生局総務課が同日、都道府県宛に事務連絡を発出し、新型コロナの特例的な対応として、医療用抗原検査キットについての取り扱いについて周知した。医療用抗原検査キットは、薬機法における薬局医薬品として取り扱われるものと説明。販売に当たっては、「薬剤師により、必要な情報提供や薬学的知見に基づく指導を行う」ことを前提に、適正な使用を確保できないと認められる場合は、販売又は授与してはならないとした。
また、販売した数量や日時、情報提供や指導の内容を理解したことの確認結果を2年間保存することを求めるなどして、丁寧な説明や対応を求めた。販売に際しては、自ら鼻腔ぬぐい液を採取し、検査を行うことや、検査が陽性であった場合には医療機関を受診してもらうことについて、使用する人に理解を求め、署名してもらう必要がある。
抗原検査キットは無症状者の確定診断には推奨されず、症状があってもウイルス量が少ない場合は、感染していても陰性となる場合がある。体調が悪いことを自覚している人に対しては、医療機関の受診を促すことを原則とし、抗原検査は家庭などで体調が気になる場合にセルフチェックとして用いる。陽性である場合は速やかに医療機関を受診することを求め、陰性であっても偽陰性の可能性があることから、症状がある場合は医療機関の受診を求めた。薬局に対しては、必要に応じ、地域の医療機関などと相談のうえ、受診可能な医療機関や受診・相談センターの連絡先のリスト等を作成、配布するなどの対応を行うことも求めている。