東和薬品は9月14日、「トーワ」製品を服用する患者と家族に向けて、「弊社製品の供給に関するお知らせ」をホームページ上に公表した。それによると、「他社製品の出荷調整の影響等を受け、生産数量を大きく上回るご注文をいただいており、すべての患者さんへお薬をお届けできる数量を準備できていない状況にある」と説明。「製薬会社として重要な責務である医薬品の安定供給を確保できず、患者さんとそのご家族の皆様には、お薬の切り替え等でご心配、ご負担をお掛けいたしますこと、心より深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

◎「今後の治療については医師または薬剤師に相談を」　患者・家族に呼びかけ

同社は、医療関係者に対し、8月11日付で出荷調整が352品目に拡大すると公表した。出荷調整の情報は、これまで医療関係者向けに随時発信してきたが、患者や家族向けに情報提供するのは今回が初めてとなる。同社は、相次ぐ出荷調整で薬局など医療現場に後発品の供給不安が広がっていることから、「トーワ」製品を服用する患者や家族に対し、情報提供が必要と判断した。患者・家族に対しては、「今後の治療については、医師または薬剤師にご相談くださいますようお願い致します」と呼びかけた。

一方、生産体制の現状認識としては、生産計画を見直すなどの増産体制に取り組んでいるとしながらも、「工場の生産能力が限られる中で短期間にこれ以上の増産が難しい状況にある」と指摘。増産に向けた新規設備の導入と増員を進めていることに理解を求めながら、「一日も早く、弊社製品をお届けできますよう、最善の努力を尽くす」と強調した。

◎山形工場の新棟増築による生産体制の向上「引き続き安定供給体制の構築に努める」

今後の増産体制については、同社の第5期中期経営計画（2021－2023）に盛り込んだ山形工場の新棟増築による生産体制の向上などを明示し、引き続き安定供給体制の構築に努める姿勢を表明した。