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薬食審・再生医療等製品部会 クローン病の複雑痔瘻治療製品アロフィセル注の承認を了承

公開日時 2021/09/07 11:45
厚生労働省の薬食審再生医療等製品・生物由来技術部会は9月6日、武田薬品のクローン病患者における複雑痔瘻治療製品アロフィセル注(一般名:ダルバドストロセル)の承認を了承した。アロフィセルは、少なくとも1つの既存治療薬による治療を行っても効果不十分な場合の治療選択肢となる。この「既存治療薬」は関係学会との協力により作成される適正使用指針の中で明示する。

【審議品目(カッコ内は一般的名称、申請企業)】

アロフィセル注(ダルバドストロセル、武田薬品):「非活動期又は軽症の活動期クローン病患者における複雑痔瘻の治療。ただし、少なくとも1つ以上の既存治療薬による治療を行っても効果が不十分な場合に限る」を効能・効果又は性能とする再生医療等製品。希少疾病用再生医療等製品。再審査期間は10年。

健康成人の脂肪組織から抽出した、同種異系の増殖させた脂肪組織由来幹細胞(eASC)の懸濁液。用法・用量又は使用方法は、「通常、成人にはヒト間葉系幹細胞として、1回量120×106個(4バイアル(24mL)全量)を、最大で原発口2つまで、二次口3つまでの瘻孔に対して、掻爬等の処置を行った後に投与する」となる。

承認条件として医師要件、施設要件のほか、関連学会との協力により作成された適正使用指針の周知、講習の実施、全例調査がついた。

クローン病は消化管の慢性炎症性疾患で、国内の推定患者数は7万人とされる。クローン病患者は肛門周囲複雑瘻孔を発症することが多く、強い痛みや膿瘍感染症、便失禁などを引き起こすことがある。薬物療法や外科的手処置の進歩にもかかわらず、現在もなお治療困難な疾患で、患者のQOLに深刻な影響を及ぼしている。
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