米FDA 急性リンパ性白血病・リンパ芽球性リンパ腫治療薬Rylazeを承認
公開日時 2021/07/08 04:49
米食品医薬品局(FDA)は6月30日、米Jazz Pharmaceuticals社の急性リンパ芽球性白血病(ALL)およびリンパ芽球性リンパ腫(LBL)治療薬(aspraginase erwinia chrysanthemi(recombinant)-rywn)について化学療法レジメンの併用療法の一環として承認した。
同剤の適応は、同疾患の標準治療に使用される大腸菌由来アスパラギナーゼ薬剤に対してアレルギーを持つ成人および小児におけるALLおよびLBL。FDAは、同剤について、優先審査および希少疾病薬の指定を行っていた。また、同剤は、FDAと海外の規制当局が抗がん剤について、同時申請を受け付け、同時審査を行うプログラムであるProject Orbisの対象となった。FDAはHealth Canada(カナダ衛生省)と協力した。主な副作用は、過敏性反応、膵毒性、血栓、出血および肝毒性など。
FDAがん研究拠点のGregory Reamana小児腫瘍副部長は、「白血病の小児および成人患者に治癒の可能性のある療法の極めて重要な要素への代替ソースを提供するものだ」と同剤の登場を歓迎した。
Jazz PharmaceuticalsのBruce Cozadd会長兼CEOは今後、用量や剤型変更(静注)に取り組み製品ラインを充実させる考えを示した。さらに、小児臨床試験に参加した治験責任医師、小児、家族ら関係者に対して感謝の意を示した。同社は、7月半ばに発売する見通しとしている。
ALLは、年間約5700例が発症し、約半数は小児である。同剤は、化学療法の併用剤として、がん細胞の生存に必要とするアスパラギンを分解し、タンパク合成を阻害することにより、がん細胞を殺すアスパラギナーゼと呼ばれる酵素である。患者の約20%は、既存の標準的な大腸菌由来アスパラギナーゼにアレルギー反応を持っているため、忍容性のある代替療法を必要としていた。