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厚労省 新型コロナワクチンの添付文書改訂を指示 心筋炎と心膜炎を「重要な基本的注意」に明記

公開日時 2021/07/08 04:50
厚生労働省医薬・生活衛生局は7月7日、2種類の新型コロナウイルス感染症ワクチンの添付文書を改訂するよう指示した。改訂指示があったのは、ファイザーの「コミナティ筋注(一般名:コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」と武田薬品の「COVID−19 ワクチンモデルナ筋注(一般名:同)」。因果関係は「不明」ではあるものの、国内外でワクチン接種後の心筋炎や心膜炎が報告されていることから、「重要な基本的注意」と「その他の注意」で心筋炎及び心膜炎に関する注意喚起を追記することを求めた。医薬安全対策課長名で、日本製薬団体連合会(日薬連)に通知した。

両ワクチンの「重要な基本的注意」に、「本剤との因果関係は不明であるが、本剤接種後に、心筋炎、心膜炎が報告されている」とした。そのうえで、「被接種者又はその保護者に対しては、心筋炎、心膜炎が疑われる症状(胸痛、動悸、むくみ、呼吸困難、頻呼吸等)が認められた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること」を追記する。

「その他の注意」では、海外での臨床使用に基づく情報として、「海外において、因果関係は不明であるが、コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)接種後に心筋炎、心膜炎が報告されている」とし、「報告された症例の多くは若年男性であり、特に2回目接種後数日以内に発現している。また、大多数の症例で、入院による安静臥床により症状が改善している」と追記する。

国内症例の集積状況をみると、心筋炎関連症例はコミナティ接種後で12例(死亡2例)報告されたが、このうちコミナティと当該事象との因果関係が否定できない症例は0例(死亡0例)だった。COVID-19ワクチンモデルナ筋注では1例(死亡0例)報告されたが、因果関係が否定できない症例は0例だった。

心膜炎関連症例は、コミナティ接種後に3例(死亡0例)報告されたが、コミナティと当該事象との因果関係が否定できない症例は0例だった。COVID-19ワクチンモデルナ筋注で心膜炎関連症例の報告はなかった。

【添付文書の改訂指示があった医薬品は次の通り】

▽コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチンン(SARS-CoV-2)(販売名:コミナティ筋注、製造販売元:ファイザー、同COVID−19 ワクチンモデルナ筋注、武田薬品)
薬効分類:631 ワクチン類

指示概要:「重要な基本的注意」の項に、心筋炎及び心膜炎に関する注意喚起を追記。「その他の注意」の項を新設し、因果関係は不明であるが、コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)接種後に心筋炎、心膜炎の海外報告がある旨を追記。

改訂理由:国内では、コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチンとの因果関係が否定できない心筋炎及び心膜炎の副反応疑い報告はないが、PMDAは以下の状況を考慮し、専門委員の意見も踏まえ、改訂することが適切と判断した。
▽海外において、因果関係は不明だが、コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン接種後に心筋炎及び心膜炎が報告されている。
▽海外において、心筋炎及び心膜炎の注意喚起がなされている。
▽国内においても、因果関係は不明であるが、症例集積が認められる。
▽心筋炎、心膜炎が疑われる症状が認められた場合には医師の診察を受ける旨をあらかじめ被接種者に指導することが、早期発見及び重症化への対処の上で重要であると考える。
▽接種対象者の拡大に伴うAYA(Adolescents and Young Adults)世代への接種数増加が予想される。
 
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