編集長沼田佳之製薬産業がこぞってＤＸの推進に舵を切る背景のひとつに、国の描く日本の未来像がある。６月18日に政府が閣議決定した「骨太方針2021」では、オンライン診療の恒久化やプログラム医療機器（治療アプリ等）の評価、患者個人のデータを活用したデータヘルス改革の実現など、医療分野におけるＤＸ推進のメニューを列挙した。製薬企業と同様に、医師や医療従事者にとっても、患者に対する治療満足度や治療アウトカムの向上を実現するための働き方改革や生産性の向上が求められている。すなわち、社会構造や社会システムの変革は、製薬産業に限らず、我々を取り巻く医療現場の環境や医療従事者のスタイルに大きく影響しているということなのだ。「ＤＸはバズワード化してしまっている。商売の道具みたいに語る企業経営者が大...