患者と医療者つなぐ役割が重要視される時代に編集長沼田佳之「医療データを利活用して患者中心の医療を実現する」――。そう言われて久しいが、2024年はその一歩を確実に踏みだすと同時に、製薬産業にとっても研究開発、生産、営業・マーケティングの各サプライチェーンにおいてビジネス変革が求められる１年になりそうだ。医療データを利活用する最大の目的は患者・国民目線の医療を実現することにある。例えば、救急・災害時でも迅速かつ的確に医療提供できる環境を地域単位で確立する。また難病や希少疾患の患者が短期間で診断を受け、適切な治療を開始できる。一方で、日常生活のデータを記録した個々人のPHR（パーソナル・ヘルス・レコード）を医療者と共有することで、最適な医療サービスを受けることができる。こうした社会環境を背景に、...