第一三共 新型コロナ治療薬候補ナファモスタット吸入製剤の開発中止 安全性に懸念
公開日時 2021/06/16 04:50
第一三共は6月15日、新型コロナウイルス感染症の適応取得を目指して開発中だったナファモスタット吸入製剤(DS-2319)の開発を中止したと発表した。実施中だった第1相臨床試験と非臨床試験の状況を総合的に判断し、「吸入製剤での安全性に懸念が認められた」(同社広報部)としている。
同剤は、ナファモスタットメシル酸塩を吸入製剤化した薬剤。第一三共、東京大学、理化学研究所、日医工の4者が共同で開発を進めてきた。今年3月に開始した第1相臨床試験では、20歳以上45歳以下の男性の日本人健康成人76例を年末までに組み入れることが計画されていた。
ナファモスタットの点滴静注製剤(製品名:フサン)は、急性膵炎などの治療薬として長期間臨床現場で使用されている。