小鑓政務官 後発品の全都道府県で8割目標「全体的な底上げを図ることが重要」
公開日時 2021/06/10 04:49
小鑓隆史厚労大臣政務官は6月9日の衆院厚生労働委員会で、後発品使用促進の在り方について、「後発品に対する不安感を払しょくさせ、信頼感を向上させていくことが第一であると考えている」と述べた。同日、政府の経済財政諮問会議に提示された「経済財政運営と改革の基本方針2021(骨太方針2021)」の原案では、ポスト80%の新目標として、「2023 年度末までに後発医薬品の数量シェアを、全ての都道府県で80%以上」をあげ、検証することが明記されている。小鑓政務官は、後発品の使用割合が都道府県ごとにバラツキがあることを指摘し、「いたずらに80%の数字をあげるのではなく、全都道府県で8割という高い目標をクリアしていただくことで全体的な底上げを図っていくことが重要だと考えている」と述べた。山田美樹氏(自民)に対する答弁。
全都道府県で後発品の使用割合を高めるために、都道府県や医療機関ごとに使用割合の“見える化”を進め、都道府県に提供していることも説明。データに基づいて、「関係者間で議論していただきながら各地域において使用割合を上げていっていただくということを狙っている。すべての地域において後発品が安心して広く使用されるよう、今後とも努力をして参りたい」と述べた。
◎立入検査 都道府県の研修支援などで「行政側の体制整備にも努める」
小林化工、日医工と医薬品医療機器等法(薬機法)違反が相次ぎ、業務停止を受けた問題については、「供給上の問題が相次いでいること、医薬品の品質および安全性の信頼を揺るがせてしまったことを大変遺憾に考えている」と述べた。
こうした問題が起きた理由の一つとして、「医薬品の供給を優先し、法令順守を後回しにする姿勢が指摘されている」として、今年8月に義務化が予定されていた法令順守体制について、前倒しして整備するよう企業側に求めていると説明した。行政側としても、「監督側の管理体制を強化する観点から企業に対する各都道府県の立ち入り検査についても、研修などの支援により検査能力の向上を図ることを通じ、行政側の体制整備にも努めている」と述べた。そのうえで、「厚労省としては今回の事案を重く受け止め、引き続き業界団体や都道府県など関係機関と連携し、品質確保と再発防止を徹底し、信頼回復に努めていきたい」と強調した。
質問に立った山田氏は、後発品の使用促進策について、「数字先行にならないように、足下をしっかり見てしっかり信頼を立て直していくことを行政として後押ししていくべきだ」と政府に要望した。