小林化工が引鉄を引いた業界再編への流れ
あぶり出された後発品業界に潜む構造的課題
公開日時 2021/05/01 00:00
「売上中心で出荷優先の意識が全社にあった」――。小林化工の小林広幸社長は4月16日、福井県あわら市の本社で会見に臨み、こう語った。生産部門だけでなく、研究開発部門でも横行した不正の数々には目を覆いたくなるものがあるが、根底にはジェネリックビジネス特有の構造的課題が見え隠れする。後発品80%目標に近づいたタイミングで明るみになった問題は、品質や安定供給の重要性をこれまで以上に浮き彫りにした。“業界再編”の必要性も指摘されるなかで、特許切れ後のマーケットを考えたい。(望月英梨)出荷優先主義の先に浮かぶ課題とは「小林化工の製造現場において、何よりも優先されていたのは、スケジュールどおりの出荷であった」、「薬事分析部の従業員が、最も早いタイミングで承認申請を行うことを優先させ...