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処方変化の際の情報源 「ネット講演会」が「MRの面談・電話」を上回る MCI調べ

公開日時 2021/05/07 04:52
処方行動が変化した薬剤の情報入手先(情報源)として、2021年2月に、「インターネット講演会」が「MR(面談・電話)」を上回ったことがわかった。わずか0.1ポイントの差ではあるが、「ネット講演会」がこれまで圧倒的なトップの座にいた「MR(面談・電話)」を初めて超えた。コロナ禍によってMRによる面談回数が激減する一方で、新薬や安全性に関する情報ニーズは高いまま。このような市場環境下の医師の情報収集手段としてウェブ講演会を利用するシーンが増えたことが、今回の結果に現れたとみられる。

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調査は医薬品マーケティング支援会社のエム・シー・アイ(以下、MCI)が行ったもの。調査対象は製薬企業サイトや医療関係企業サイトを閲覧している医師で、有効回答数は5077人。調査時期は21年2月4日~18日。方法はインターネット調査。結果は「医師版マルチメディア白書2021年春号」としてまとめた。21年から同白書を年4回(春、夏、秋、冬)まとめる予定。

◎処方変化の情報源 「ネット講演会」48.6% 「MR(面談・電話)」48.5%

コロナ禍のなか、処方行動が変化した薬剤の情報源として、「ネット講演会」が「MR(面談・電話)」を追い上げていた。20年4月調査では「MR(面談・電話)」が「ネット講演会」より23.5ポイント高かったが、前回20年10月調査でその差は一気に2.3ポイントに縮まり、今回、逆転した。

21年2月調査を見てみる。薬剤の情報源として9つ挙げ、処方行動が変化した情報源を複数回答可で聞いた。薬剤回答数は1万5626。

1位は「ネット講演会」で48.6%の医師が挙げた。前回20年10月調査から3.6ポイント伸びた。2位は「MR(面談・電話)」の48.5%で前回調査から1.2ポイント伸ばしたが、「ネット講演会」の伸びが大きく、首位逆転を許した。3位は「インターネットサイト」の39.3%(前回調査比1.2ポイント増)、4位は「MR(メール)」の19.5%(同1.1ポイント増)、5位は「研究会・講演会」の9.6%(同2.3ポイント増)――と続いた。

◎新薬処方に十分つながっていないとの指摘も

「MR(面談・電話)」が処方に影響を与えたとの医師の割合は、以前は60%を超えていたが、前回調査及び今回調査とも48%前後と2回連続で過半数を割った。面会機会の激減が背景にあると思われる。一方で、コロナ禍となり、この1年間に上市された新薬の立ち上がりが例年より遅いとの指摘も示されている。「ネット講演会」の視聴拡大だけでは新薬処方や採用のクロージングに十分につながっていない可能性があり、MRをどのタイミングで、どのように絡めるとクロージングにもっていけるのかを検討する局面にあるともいえそうだ。

なお、MCIが処方行動が変わったと回答のあった薬剤を対象にマルチチャネル効果を分析したところ、MRを含むマルチチャネルの方が、MRのみの単独プロモーションより1.6倍、処方につながったことが確認できた。

マルチチャネル効果は、▽分子を「MR+e」のマルチチャネルでリーチした場合の処方変化率、▽分母を「MRのみ」でリーチした場合の処方変化率――として算出するもの。医師にリーチしている上位25社を対象にマルチチャネル効果を算出したところ、19年10月は1.39倍だったが、20年4月は1.52倍、20年10月は1.58倍、今回21年2月が1.60倍――だった。マルチチャネルでアプローチした方が処方行動が変化しやすい環境になっていることがわかる。
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