田辺三菱製薬 自社創製の循環器官用剤MT-4129 米ミネラリスに導出
公開日時 2021/04/09 04:50
田辺三菱製薬は4月8日、自社創製のアルドステロン合成阻害薬・MT-4129(開発コード)について、米国ミネラリス セラピューティクス社に全世界の開発・販売権を導出したと発表した。ミネラリスは米国で高血圧症を対象疾患に第2相臨床試験をまもなく開始する予定。田辺三菱製薬は、研究開発活動は中枢神経、免疫炎症、ワクチン――の3領域に注力する方針で、循環器官用剤であるMT-4129の導出はこの方針に沿ったものとなる。
田辺三菱製薬は米日を中心とした事業を強化する方針も掲げている。ミネラリスが米国で同剤の開発を進めることも、導出する決め手の一つになった。
MT-4129はミネラルコルチコイド受容体を阻害せず、CYP11B2経路を選択的に阻害することにより、コルチゾールのような他のホルモンに影響を及ぼすことなく血漿アルドステロン濃度を有意に低下させる。健康被験者を対象とした第1相臨床試験ではアルドステロン低下作用が検証され、安全かつ忍容可能な臨床プロファイルが示されたとしている。
ミネラリスは投資会社のキャタリスパシフィック社が設立したバイオ医薬品企業。高血圧におけるベストインクラスの新薬開発に取り組んでおり、個々の患者にとって最適なアプローチにより高血圧を管理すべく、MT-4129(ミネラリスの開発コード:MLS-101)の開発を進める。
田辺三菱製薬は自社創製品について、「自社での開発だけでなく、適切なパートナーへの導出も選択していくことで、グローバルでの開発および商業化による製品価値の最大化を図り、より早く世界の患者さんに新たな治療の選択肢を提供できるよう努めていく」としている。研究開発の重点3領域であっても、外部パートナーと提携した方が製品価値の最大化やより早い上市が期待できると判断した場合は、導出も視野にいれて取り組む。