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新型コロナへの抗ウイルス薬使用のタイミングは「重症化する前が最適」 ギリアドセミナー

公開日時 2021/04/06 04:48
ギリアド・サイエンシズは4月1日、オンラインメディアセミナーを開催した。愛知医科大学大学院臨床感染症学の三鴨廣繁教授が、新型コロナ治療の最前線に立つ医師として「日本におけるCOVID-19治療の現場から」 のテーマで講演した。

三鴨教授は、新型コロナウイルス感染症について、「初期症状はインフルエンザや感冒に似ており、症状で新型コロナを判断することは難しく、新型コロナ患者の大半は軽症例だが、重症化リスクが高い症例は急速に重症化する。抗ウイルス薬使用のタイミングは重症化する前が最適で、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)に至ると半数以上が救命困難となる」と述べた。新型コロナの後遺症としては、倦怠感、呼吸困難、嗅覚障害、味覚障害、脱毛などが報告されているという。

治療に対する私見としては、「重症リスクが高い症例は急速に重症化し、ARDS症例に至ると半数以上が救命困難となるため、抗ウイルス薬使用のタイミングは重症化する前が最適」と指摘した。「抗ウイルス薬レムデシビルは、国内初のCOVID-19に対する抗ウイルス薬であり、国内およびNIH(米国国立衛生研究所)のガイドラインで推奨されている」とした。

入院して酸素療法を必要とする患者には、ステロイド剤のなかでもデキサメタゾンがNIH/IDSA(米国感染症学会)のガイドラインで推奨されている。三鴨教授は、「ECMO(体外式膜型人工肺)の使用まで至ると救命率は約6割のため、抗ウイルス薬/抗炎症薬によって病態進行を抑制することが新型コロナウイルスとの闘いに非常に重要」とした。

三鴨教授は、ワクチン接種の有効性ではなく社会的利益(公益)から、「免疫を獲得することで接種者の感染予防だけでなく、周囲の人を感染させる可能性を減らすことができる。国際共同第3相臨床試験の結果に基づくと、少なくとも重症化は減少させることができる」と指摘。「回復患者で抗体レベルは3か月弱まで安定していたが、その後急速に低下した」とした。さらに「ワクチン環境下でも感染は多少継続する可能性があるため、薬物療法により医療への貢献が期待できる」と述べた。
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