AZ 新型コロナ抗体「AZD7442」 国内治験を開始
公開日時 2021/04/01 04:51
アストラゼネカは3月31日、新型コロナウイルス感染症の抗体として開発中の「AZD7442」について、治療効果を検討する国際共同第3相臨床試験(TACKLE試験)を開始したと発表した。また、健康な18歳以上55歳以下の男女32人を対象とした第1相臨床試験も開始した。
AZD7442は、新型コロナに感染して回復した患者が持つ2種類の抗体を模倣したもの。設計の際に、同社が独自に有する半減期延長技術を適用し、1回の接種後6〜12カ月間治療効果が持続することが期待されている。また、新型コロナに感染した人の発症や重症化の予防に加え、ウイルスにさらされる前に予防する効果も期待されている。
日本でスタートした国際共同第3相臨床試験は、新型コロナ患者への治療効果としての検証を目的に米国、英国、ドイツなどでも実施されている。18歳以上の男女1700例の登録を目指すという。このほか、予防効果を検証する第3相臨床試験(PROVENT試験、STORM-CHASER試験)も世界では進行中。
同社は、規制当局よりAZD7442の承認が得られた際に、日本に抗体医薬を提供することで昨年末から日本政府と交渉を開始している。