武田薬品 HAE発作抑制薬ラナデルマブを承認申請
公開日時 2021/03/16 04:50
武田薬品は3月12日、遺伝性血管性浮腫(HAE)発作を抑制する完全ヒト型抗ヒト血漿カリクレインモノクローナル抗体・ラナデルマブ(一般名)を日本で承認申請したと発表した。承認された場合、ラナデルマブはプレフィルドシリンジ(充填済み注射器)として日本の患者に供給する予定。
ラナデルマブは血漿カリクレインに特異的に結合し、その濃度を引き下げる完全にヒト由来のモノクローナル抗体。米国など20を超える国で製品名「TAKHZYRO」として販売され、12歳以上の患者のHAE発作予防を適応としている。皮下注射薬で半減期は約2週間。同剤は医療専門家によるトレーニングを受けたうえで、患者自身または介護者による投与も可能としている。
HAEは腹部、顔面、足、性器、手、喉など身体のさまざまな場所に繰り返し浮腫発作を引き起こす希少な遺伝性疾患。日本には2000人から3000人の患者が存在すると推定されているが、認知度の低さから診断されている患者は約450人にとどまっている。
同社日本開発センターの廣田直美所長は、「ラナデルマブは血漿カリクレインに特異的に結合し、その濃度を引き下げる完全にヒト由来のモノクローナル抗体であり、HAE発作の予防的治療薬として有効性と安全性を示している薬剤」と紹介した上で、「予測のできないHAE発作により日々困難な生活を強いられている日本の患者さんに、HAE発作の予防的治療薬であるラナデルマブを新しい治療選択肢として、少しでも早くお届けできる日を心待ちにしている」とコメントしている。