CSL・Perreault CEO 希少疾病薬開発に意欲
公開日時 2021/03/03 04:49
CSL LimitedのPaul Perreault CEO兼社長は、PhRMA(米国研究製薬工業協会)のStephen Ubl理事長とのインタビューで、改めて患者ニーズの高い希少疾病薬開発に注力する姿勢を強調した。インタビューでは、新型コロナウイルス感染症への対応策や希少疾病薬の開発動向などについて議論が交わされている。PhRMAが2月24日、発表した。
PerreaultCEO兼社長は、希少疾患治療薬開発について、「希少疾患や重篤な疾患とともに生きる人々にとって我々の薬剤は、自由裁量(服用の有無)ではない。必要だからだ。患者にこれらの薬剤へのアクセスを保障するのは結果論ではなく義務である」と述べた。
さらに、全米希少疾患機構(National Organization for Rare Diseases)の統計で、7000以上の希少疾患に250万人から300万人が罹患していることを紹介。「10人のうち1人が希少疾患であり、そのうち半分以上が小児である」として、依然として患者のアンメットニーズが高いことを指摘した。そのうえで、「患者中心、優秀な業績、イノベーション、誠実さおよび協力を重視する我々の価値は、我々の科学や治療法ばかりでなく、学術研究所と患者アドボカシー団体とのパートナーシップを通じ、希少疾患コミュニティを支援する取り組みを強調するものだ」と締め括った。
新型コロナが世界中に蔓延するなかで、「我々の生涯で経験した最悪の地球規模のヘルスケアの危機だ。しかし昨年、科学界、政府、アカデミアおよび業界が新たな方法で協働したときに、起きたことを見た」と関係者が新規薬剤やワクチン開発に一斉に取り組んだ状況を回顧した。さらに、「問題解決の科学の役割は、かつてなく、脚光を浴びた。私は、この危機が、我々が想像以上に回復力を持ち、適応力があることを示してくれたと思う」と話した。
新型コロナ候補品の研究開発も進める姿勢を強調。「我々は、米国と欧州で可能性のある血漿由来高度免疫療法を開発するためのCoVIg-19 Plasma Allianceの創立メンバーの1社である。昨年10月にフェーズ3に入った」と述べた。CoVIg-19 Plasma Allianceは武田薬品など複数の企業が参画している。また、同社は、オックスフォード大学とアストラゼネカ社が共同開発した5000万回分の新型コロナワクチン候補を製造する契約をオーストラリア政府と締結したことにも言及した。