経口GLP-1受容体作動薬・リベルサス錠 発売後2週の処方動向 新規処方は19% 上乗せ・切換え81%
公開日時 2021/02/25 04:53
ノボ ノルディスク ファーマの経口GLP-1受容体作動薬・リベルサス錠(一般名:セマグルチド・遺伝子組換え)について2月5日の発売後2週間の実処方の動向を調べたところ、新規処方は全体の19%を占め、残り81%が他の糖尿病治療薬への上乗せ・切替えであることが分かった。わずかだがオゼンピック皮下注からの切り替えも見られた。調査は、エムスリーが独自に構築したリアルワールドデータベース「JAMDAS」(Japan Medical Data Survey:日本臨床実態調査)を使用した。
国内の糖尿病薬市場は、経口薬が全体の8割を占めるだけに、経口GLP-1アナログ製剤であるリベルサス錠の登場が、今後の糖尿病治療にどのようなインパクトをもたらすか注目されている。一方で、リベルサス錠は、「服用後少なくとも30分は、飲食および他の薬剤の経口摂取を避ける」など複数の用法・用量のシバリがついた薬剤でもある。このため同社は服用遵守の情報提供に注力する姿勢を示しており、医師だけでなく薬剤師や栄養士にも服用条件の徹底を求める活動を開始したところだ。
こうした状況を踏まえ、本誌は発売後2週間という“超”初期段階のリベルサスの処方動向に注目した。リベルサス錠の処方動向をみたところ、新規の患者に処方した症例の割合は全症例の19%を占めていることが分かった。
◎DPP-4阻害薬21%、ビグアナイド薬19%、SGLT2阻害薬19%
残り81%が他の糖尿病治療薬からの上乗せ・切換えということになる。その内訳をみると、DPP-4阻害薬が21%、ビグアナイド薬は19%、SGLT2阻害薬は19%、スルホニル尿素(SU)薬は9%、オゼンピック皮下注は4%、DPP-4阻害薬/ビグアナイド薬は2%、α-グルコシダーゼ阻害薬は2%、DPP-4阻害薬/SGLT2阻害薬は2%、チアゾリジン薬は2%となった。
◎アーリーアダプターの処方動向 経口GLP-1アナログ製剤への期待感浮かび上がる
今回は発売後2週間という“超”初期段階の処方動向をみたため、JAMDASデータにおけるリベルサス錠の処方数(100未満)は限定的だった。このため新規処方以外の他剤からの上乗せ・切換えの詳細までは確認できていない。ただ、発売直後は一般的に、いわゆるアーリーアダプターと呼ばれる医師の処方傾向が見えるだけに、リベルサスを処方した医師は、他の糖尿病治療薬でコントロール不十分な症例を含めて、慎重に処方を判断していることがうかがえた。
なお、リベルサス錠の情報提供活動に関しては、2019年12月9日にノボ ノルディスク ファーマとMSDの間で日本国内の販売提携契約を締結しており、両社が共同販促を行っている。