DeNAライフサイエンス 製薬向けヘルスデータプラットフォームでIQVIAと協業 10万人の遺伝情報活用
公開日時 2020/12/04 04:50
DeNAライフサイエンスは12月3日、製薬企業向けヘルスデータプラットフォームでIQVIAジャパンと協業すると発表した。最大10万人規模の遺伝情報と生活習慣の関連解析データを医薬品の有効性・安全性検証や創薬研究などに活用できるサービスを新たに展開する。製薬企業は、このプラットフォームの各種データを利活用し、ゲノム統計データに基づく創薬研究や新薬開発の新たな仮説創出が可能となる。加えて、治験期間の短縮や対象疾患の探索なども期待できる。
ディー・エヌ・エーの子会社であるDeNAライフサイエンスは、ゲーム事業やスポーツ事業で培ったエンゲージメントサイエンスや、これまでのヘルスケアサービス事業を通じて得たノウハウを組み合わせた各種サービスの提供、共同研究、疾患啓発活動などを展開している。
同社が今回取り扱う一般向け遺伝子検査サービス「MYCODE」は、専用容器を使って唾液を送ることで、最大280項目のがんなどの病気のリスクや体質などの遺伝的傾向に関する検査結果と生活習慣アドバイスをPC・スマートフォンで閲覧できるサービス。利用者10万人のうち、約9 割が研究への参加に同意しており、同社の「健康長寿社会の実現」を目的としたゲノム研究プロジェクト「MYCODE Research」を推進している。
◎ゲノム統計データに基づく創薬研究が可能に
今回のプロジェクトは「MYCODE Research」において、遺伝情報と疾患・体質・生活習慣などのユーザーアンケートの関連解析結果(統計データ)をデータベース化し、IQVIAジャパンが構築するプラットフォーム 「Genome Wide Study Platform」において当該データベースの情報が閲覧・利活用できるというもの。製薬企業はプラットフォーム内の各種データにアクセスし、利活用することで、ゲノム統計データに基づく創薬研究が可能となる。革新的な新薬開発における新たな仮説創出や検証などにも役立てることができる。
◎遺伝子データの活用で試験期間短縮や対象疾患の探索への応用も
さらに、同サービスに IQVIA が保有する幅広い医療データやソリューションが加わることで、診断と治療におけるメカニズムの解明や臨床データの補強が支持され、医薬品の有効性・安全性のさらなる精緻化が図られるという。創薬に遺伝子データを活用できれば臨床試験の期間短縮や対象疾患の探索に役立つなどの可能性が拡がるという訳だ。
このほか製薬企業の個別要望にも応じることにしており、「MYCODE Research」から新たな関連解析データを抽出・提供するサービスなどへの拡大も予定している。DeNAライフサイエンスとしては、「製薬企業にとって有意義なデータを継続的かつ速やかに取得できるプラットフォームの構築を目指したい」との考えだ。