田村厚労相 後発品使用促進で「新たな目標」設定へ 達成状況や地域差踏まえ年度内に決定
公開日時 2020/11/28 04:51
田村憲久厚労相は11月27日の経済財政諮問会議で、後発品の使用促進に向けて、「新たな目標」を設定すると表明した。「目標の達成状況や地域差」と踏まえて年度内に決定する。バイオシミラーの使用促進が十分進んでいないことも踏まえ、使用促進策も検討する。一方で、医療機関や薬局側が後発品の選定に際し、安定供給を重視していることも指摘。ポスト80%時代で安定供給の重要性が増すなかで、回収や出荷調整などがあったことも踏まえ、あわせて「後発品を含めた安定供給確保策」を検討する考えも示した。
9月に数量シェア80%目標の達成時期を迎えた後発品だが、19年9月時点で約77%となっている。一方で、都道府県別にみると、沖縄県で88.7%となるなど浸透が進む一方で、高知県では77.1% 東京都では76.6% 徳島県では74.3%など、80%目標に届いていない地域もある。自民党の議員連盟「ジェネリック医薬品の将来を考える会」(上川陽子会長)では、「全都道府県80%目標達成」を新指標とすることが提言されるなどしており、こうした声も踏まえて検討が進むこととなりそうだ。
一方、後発品の選定に際しては、医療機関、薬局ともに安定供給を重視する。病院の93.5%、診療所の33.3%、保険薬局の82.8%が「品切れが発生しない」ことを重視すると回答しているとのアンケート調査結果(2019年10月)を紹介。あわせて安定確保策を進める考えも示した。
◎民間議員「強力な追加措置講ずるべき」 フォーミュラリ導入や医療機関の数値公表も
民間議員も、「後発医薬品の新たな目標を年度内に設定するとともにするともに、使用促進のための強力な追加措置を講じるべき」と提言した。薬価が高く、市場規模が膨らむバイオ医薬品についてバイオシミラーを浸透させる必要性も強調した。具体的な施策としては、新目標設定に加え、フォーミュラリの導入や、使用割合の低い大学病院など個別医療機関の使用割合を公表するなど、“見える化”を進めることなどをあげた。