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武田薬品・ウェバー社長 グローバルブランド14製品の伸長で売上収益0.5%増 1年以内7品目申請へ

公開日時 2020/10/30 04:51
武田薬品のクリストフ・ウェバー社長CEOは10月29日、2020年度上期業績の発表記者会見(カンファレンスコール)に臨み、グローバルブランド14製品の売上伸長などで実質的な売上収益成長率は前年同期比0.5%増を確保したと報告した。営業活動によるキャッシュフローは14.9%増、実質的なCore営業利益率は31.6%増となった。またノンコア事業の売却は武田コンシューマーヘルスケアを含む10案件を実施。総額113億米ドルとなり、売却目標額の100億米ドルを超過したことも明らかにした。ウェバー社長CEOはまた、「今後1年以内に新規候補物質(ウェーブ1=2024年度までに上市予定)7品目を承認申請したい」と期待感を示した。

◎5ビジネスエリアの対売上収益費は約82% 前年同期比4%増

同社が掲げる5つのビジネスエリア(消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー、ニューロサイエンス)の財務ベースの売上収益は1兆2989億円(前年同期4.0%増)で、全売上収益の82%を占める。うちグローバルブランド14製品の売上収益は5959億円(15.4%増)で、上期業績の伸長に貢献。ウェバー社長CEOも、「タケダのポートフォリオの底力を実証した」と高く評価した。

ビジネスエリア別に売上収益をみると、消化器系疾患はエンティビオが米国、EU、日本でシェアを拡大し、財務ベースの売上収益は3798億円(24%増)を確保した。希少疾患ではTAKHZYROの上市により、遺伝性血管性浮腫のポートフォリオで二桁台の成長を達成。売上収益は2954億円(19%増)となった。PDT免疫疾患は、米国でのGAMMAGARD LIQUIDならびに免疫グロブリン皮下注射製剤の需要増に牽引され、売上収益は2059億円(13%増)を達成。このほかオンコロジーの売上収益は2100億円(13%増)、ニューロサイエンスは2078億円(13%増)となった。

◎ボストンに研究開発用の細胞医薬品製造施設を開設 次世代プログラムを支援

同社のR&D戦略は、ピーク時100億米ドル以上が期待でき2024年度までに承認可能性のある新規候補物質を「第1ウェーブ」、2025年度以降の新規候補物質等を「第2ウェーブ」と位置づけている。このうち第1ウェーブでは、TAK-721(好酸球性食道炎)、TAK-003(デング熱ワクチン)、CoVIg-19など7つの新薬候補物質について、今後12か月以内に承認申請する目標を掲げている。さらに、米マサチューセッツ州ボストンの研究開発拠点に研究開発用の細胞医薬品製造施設を開設しており、TAK-007、CAR-T細胞医薬品候補のTAK-940およびTAK-102などの次世代プログラムを支援しており、臨床試験は2020年度第2四半期に開始したところだ。

◎DXに意欲 「バリューチェーン全体の生産性向上に努めたい」

ウェバー社長CEOは会見で「デジタル変革(DX)」の加速にも触れた。すでにアクセンチュアやAWSと提携し、グローバルレベルでのデジタル変革およびイノベーションを加速させているところ。ウェバー社長CEOは、「バリューチェーン全体の生産性向上に努めたい」と強調。データやデジタル領域における既存人材の能力強化や専門人材への投資なども積極的に進める姿勢を示した。

【20年度第2四半期決算(前年同期比) 20年度通期予想(前年同期比)】 
売上収益 1兆5907億8500万円(△4.2%) 3兆2000億円(△2.8%)
営業利益 2155億8800万円(97.7%) 4340億円(332.2%)
親会社帰属純利益 865億4800万円(15.8%) 1240億円(180.3%)

【グローバル主要製品売上(前年同期実績) 億円】
(消化器系疾患)
エンティビオ 2070(1684) 22.9%
デクスラント 284(311)  △8.7%
パントプラゾール 215(244)△12.1%
タケキャブ 400(350)  14.2%
Gattex/Revestive  332(293)13.5%
ペンタサ 117(130) △10.2%
リアルダ/Mezavant 115(122) △6.4%
アミティーザ 124(151) △17.7%
Resolor/Motegrity  50(27)85.9%
その他 93(103) △10.4%
(希少代謝性疾患)
エラプレース 343(355)△3.4%
リプレガル 250(255)△1.9%
ビプリブ 188(187) 0.8%
Natpara  15(124)△87.8%
(希少血液疾患)
アドベイト 634(832) △23.8%
アディノベイト 295(297) △0.6%
ファイバ 206(278) △26.1%
Hemofil/Immunate/Immunine 94(121) △22.8%
その他PDT製品 17(18) △5.6%
その他 183(206) △11.5%
(遺伝性血管性浮腫)
フィラジル 151(153) △0.7%
Takhzyro  437(307) 42.6%
Kalbitor  20(24) △16.0%
Cinryze 120(120) 0.1%
(血漿由来の免疫疾患治療)
免疫グロブリン 1627(1465) 11.0%
アルブミン 286(341) △16.1%
その他 147(141) 3.8%
(オンコロジー)
ベルケイド 500(636) △21.4%
リュープロレリン 499(566) △12.0%
ニンラーロ  444(383) 15.9%
アドセトリス 306(258) 18.7%
アイクルシグ 168(147) 14.8%
Alunbrig 43(34) 27.4%
ベクティビックス 119(116) 2.6%
その他 22(9) 145.9%
(ニューロサイエンス)
バイバンス/ビバンセ 1326(1315) 0.8%
トリンテリックス 350(346) 0.9%
Adderall  XR 90(106) △15.5%
ロゼレム 59(87) △31.6%
レミニール 55(90) △38.7%
インチュニブ 90(80) 11.9%
その他 108(114) △5.4%
(その他)
アジルバ 399(387) 3.2%
ネシーナ 290(286) 1.4%
ユーロリック 14(141) △90.2%
コルクリス 43(131) △67.5%
ロトリガ 157(160) △1.9%
※タケキャブ、アジルバ、ネシーナは合剤・パック製剤を含む
【国内主要製品売上(前年同期比) 億円】
(消化器系疾患)
エンティビオ 40 59.0%
タケキャブ 393  13.1%
その他 3 △60.0%
(希少疾患) 157 △0.9%
(希少代謝性疾患)
エラプレース 8 6.3%
ビプリブ 7 △15.4%
(希少血液疾患)
アドベイト 34 △16.8%
アディノベイト 79  5.1%
ファイバ 5 △49.6%
その他 17 15.9%
(遺伝性血管浮腫)
フィラジル 8 139.7%
(オンコロジー)
リュープロレリン 202 △2.0%
ニンラーロ  24 △4.1%
アドセトリス 56 43.6%
ベクティビックス 119 2.6%
その他 13 
(ニューロサイエンス)
トリンテリックス 6
ロゼレム 58 3.7%
レミニール 55 △38.7%
インチュニブ 42 18.8%
その他 33 35.2%
(その他)
アジルバ 399 3.2%
ネシーナ 140 △1.9%
ロトリガ 157 △1.9%




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