小野と武田 オプジーボとカボメティクス併用療法、腎細胞がんの1次治療で一変申請
公開日時 2020/10/28 04:49
小野薬品と武田薬品は10月27日、小野のがん免疫療法薬・オプジーボ点滴静注(一般名:ニボルマブ)と武田のキナーゼ阻害薬・カボメティクス錠(同カボザンチニブリンゴ酸塩)について、根治切除不能又は転移性腎細胞がんの1次治療に対する両剤の併用療法を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請(一変申請)を行ったと発表した。
両剤とも単剤で、根治切除不能または転移性腎細胞がんの適応を持つが、オプジーボは2次治療から、カボメティクスは1次治療から使える。また、オプジーボはヤーボイ点滴静注液(同イピリムマブ)との併用で、腎細胞がんの1次治療の適応を持つ。小野は本誌取材に、オプジーボとヤーボイ併用による腎細胞がん1次治療は、IMDC(International Metastatic RCC Database Consortium)リスク分類の中高リスク患者の治療選択肢となっているが、今回のカボメティクスとの併用は低リスクを含むと説明した。
オプジーボとカボメティクス併用の一変申請は、未治療の進行性又は転移性の腎細胞がん患者を対象にオプジーボとカボメティクスの併用療法とスニチニブ単剤療法を比較評価した多施設国際共同無作為化非盲検第3相試験「CheckMate-9ER試験」に基づく。
患者は併用療法群(オプジーボ240mg、2週間間隔で点滴静注と、カボメティクス40mg、1日1回、経口投与)と、対照群(スニチニブ50mg、1日1回、4週間経口投与後2週間休薬するサイクルの継続)に1対1で割り付け、病勢進行もしくは忍容できない毒性が認められるまで投与を継続した。
その結果、最終解析で主要評価項目である盲検下独立中央判定(BICR)による無増悪生存期間(PFS)と、あらかじめ計画されていた中間解析で副次評価項目である全生存期間(OS)、奏効率(ORR)を改善した。併用療法群の安全性プロファイルは、それぞれの単剤投与でこれまでに報告されているものと一貫してしたとしている。