三菱ケミカルHD ジョンマーク・ギルソン氏が代表取締役社長就任へ 財政基盤強化に意欲
公開日時 2020/10/26 04:51
三菱ケミカルホールディングスは10月23日、ジョンマーク・ギルソン(Jean Marc Gilson)氏が代表取締役社長に就くトップ人事を発表した。就任予定日は4月1日付。外国人がトップに就くのは同社にとって初めて。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、製薬事業をはじめ、関連事業の経営環境は厳しさを増している。ポートフォリオ・トランスフォーメーションの改革断行も求められるなかで、ギルソン氏は、就任に際し、「第一に、財務基盤の強化に取り組む」ことを明言。新型コロナウイルスで環境変化が大きいなかで、「社員一丸となって改革に取り組みたい」と社内改革を断行する考えを強調した。
◎ポートフォリオ・トランスフォーメーション断行へ 時価総額にも懸念
ギルソン氏は、ベルギー出身の56歳。欧米の化学系企業で経営者などを歴任。2014年から
Roquette社でCEOを務めていた。指名委員会委員長の橋本孝之社外取締役は、ギルソン氏を「パフォーマンス、ポテンシャル、パッション、パーソナリティの4点で突出しており、求める人材であると確信した」と話した。三菱ケミカルHDの時価総額は1兆円にとどかず、株式市場からの評価が高いとは言い難い状況にある。ギルソン氏は、こうした状況下で、財政基盤の強化に取り組む必要性を強調。そのうえで、ポートフォリオ・トランスフォーメーションを断行していく構えを示した。
越智仁代表執行役社長は、株主総会を経て、顧問に就任する予定。小林喜光会長は留任する。