米 カナダの医薬品輸入でガイダンス 薬価抑制策の一環
公開日時 2020/10/02 04:49
米保健福祉省(HHS)および食品医薬品局(FDA)は9月24日、カナダの医薬品輸入についての具体的なガイダンスを発表した。医薬品価格を下げるための政策の一環として7月に発表した「安全な輸入についてのアクションプラン」(Safe Importation Action Plan:SIAP)に基づくもの。同ガイダンスは、トランプ大統領が7月24日に発出した薬価値下げに関する大統領令を具現化している。
ガイダンスでは、米国の消費者にとって当該医薬品の購入経費に実質的な負担減がみられることを条件とした。その一方で、輸入が公衆衛生上において何らのリスクも増やさないことを確実にするということも条件とし、一定の医薬品をカナダか輸入することを認める内容となっている。
輸入を促進させるのは、FDAが承認済みで海外で製造されている医薬品で、他国で販売許可されているか、もともと他国で販売することを意図していた生物製剤を含む処方せん薬として、手続きを示した。
新ルールでは、各州、インディアン(先住民族)および一定の環境下で、薬剤師および卸業者は、FDAの審査・認可を求めて、輸入計画案を提出できる。また、輸入計画案は、州、薬剤師、卸業者が共同で提出することも可能とした。関連法規によると、この輸入計画案は、カナダで承認された一定の医薬品に適正なラベリングを付け輸入を促進するために、輸入計画案の各提出者が同案を管理、あるいは共同管理され、FDAによって認可される。
輸入可能な医薬品は、米国で求められるラベルに再貼付され、真正品および劣化についての試験が行われる。また、規格および基準の確認が行われる。さらにこの輸入計画が、米国の消費者にとって、当該医薬品が実質的な経費節減になることを示さなければならない。
FDAのStephen M Hahn局長は、「本日の発表は、選択と競争を促進するFDAの優先事項の重要な一つである。SIAPは、価格をより安くかつアクセスを改善する一方で、米国人が期待し、かつ価値を置いている高品質と安全性を維持させる医薬品の輸入の手続きを明確に記したものだ」と述べたうえで、「FDAは、処方せん薬の競争強化と経費節減に役立つ機会を評価し、かつその機会に基づき行動をつづける」とコメントした。