アバスチンのバイオシミラーが欧州で承認取得 協和キリン・富士フイルムバイオ
公開日時 2020/09/30 04:50
協和キリン富士フイルムバイオロジクスは9月29日、英国アストラゼネカとの合弁会社でのセンタス・バイオセラピューティクスが9月 24 日(欧州時間)、血管新生を抑制する抗VEGFヒト化モノクローナル抗体製剤の抗がん剤・ベバシズマブ(先発医薬品:アバスチン)のバイオシミラー(バイオ後続品)エキュイダセント(開発番号 FKB238)について、欧州委員会(EC)より 医薬品販売承認を取得したことを発表した。
同剤は、血管内皮細胞増殖因子のひとつのVEGF-Aを阻害することによって血管新生を抑制し、複数の固形がんの増殖と転移を抑制する。今回の承認は、7月に発表されており、欧州医薬品評価委員会(CHMP)からの承認勧告を受けた。
適応症は、転移性結腸がん・転移性直腸がん・転移性乳がん・切除不能な進行がん・転移性または再発性の非小細胞肺がん・進行性または転移性の腎細胞がん・進行性及び転移性の腎細胞がん・卵巣上皮性がん・卵管がんまたは原発性腹膜がん・持続性、再発性、または転移性の子宮頸がんとなっている。
協和キリン富士フイルムバイオロジクスは、2015年にアストラゼネカと、折半出資による合弁会社のセンタス社を設立。センタス社に対して、エキュイダセントを全世界で開発・製造・販売するための独占的な権利を許諾し、同社でエキュイダセントの臨床開発を進めてきた。センタス社は、2016年から欧州や米国、日本などで非小細胞肺がんを対象としてエキュイダセントの第3相国際共同治験を実施した。
治験での主要評価項目の達成によってアバスチンに対するエキュイダセントの同等性などを確認きたことから承認申請を行い、医薬品販売承認を取得した。承認によって、欧州連合(EU)27 カ国、 英国、欧州経済地域(EEA)であるノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインで、エキュイダセントの販売が可能となる。
協和キリン富士フイルムバイオロジクスは、2012年に富士フイルムと協和キリンが設立して、バイオシミラー医薬品の開発・製造・販売を行っている。現在、炎症性疾患などに高い治療効果を持つヒト型抗TNF-αモノクローナル抗体製剤アダリムマブのバイオシミラー医薬品フリオ(開発番号FKB327)を開発し、提携先のマイラン社を通じて欧州にて販売している。フリオは 日本(製品名・アダリムマブ BS 皮下注「FKB」)、米国でも承認されている。