武田薬品 独・Cheplapharm 社に一部医療用薬を譲渡 ノン・コア資産売却の一環
公開日時 2020/09/09 04:50
武田薬品は9月8日、独・Cheplapharm 社に、一部の医療用医薬品を譲渡する契約を締結したと発表した。譲渡額は、約5億6200万米ドル。譲渡するのは、循環器・代謝領域、抗炎症領域の製品およびカルシウム製剤など、主に欧州およびカナダで販売する医療用医薬品で、2011年に買収したナイコメッドの製品が大半という。欧州では4月に一部の一般用医薬品を Orifarm 社に譲渡することを公表しており、ノン・コア資産の売却を進める。ポートフォリオの最適化を進めることで、フォーカスエリアへの注力をさらに強める考えだ。
◎譲渡対象製品の売上高は約2億6000万米ドル 大半はナイコメッド製品
同社によると、譲渡対象の製品全体での 2019 年度の売上高は、約2億6000万米ドル。売却製品は、消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)の5つのフォーカスエリアには該当しないという。Cheplapharm社について同社のChief Financial OfficerであるCosta Saroukos氏は、「これらの製品を患者さんに引き続き確実にお届けするうえで、最適なパートナーであると確信している」としている。
同社のEUCAN Business Unit PresidentのGiles Platford氏は、「今回の譲渡は、当社のポートフォリオの簡素化および最適化戦略における重要なマイルストン」と説明。フォーカスエリアで、「引き続き成功を収めることに資するもの」としている。
武田薬品は、シャイアー社の買収で膨らんだ負債を圧縮するために、ノン・コア領域を売却する方針を示しており、今回の売却もその一環。Saroukos CFOは、「長期戦略に沿ってポートフォリオの簡素化および最適化を進めており、引き続き患者さんへのフォーカスを強化する」とコメント。当初見込んだ100憶ドルは、武田コンシューマーヘルスケア(TCHC社)の全株式を、米大手投資ファンド・ブラックストーンへの譲渡で達成したが、今後も必要に応じてノン・コア事業の売却などは検討する方針だ。