厚労省 添付文書改訂を指示 子宮筋腫症状改善薬レルミナ、慎重投与に粘膜下筋腫患者を追記
公開日時 2020/09/09 04:50
厚生労働省医薬・生活衛生局は9月8日、重大な副作用などが判明した医療用医薬品の添付文書を改訂するよう、日本製薬団体連合会に医薬安全対策課長通知で指示した。改訂指示があったのは子宮筋腫症状の改善薬レルミナ錠(一般名:レルゴリクス)、免疫調整薬プラケニル錠(ヒドロキシクロロキン硫酸塩)、62成分の中耳炎の効能・効果を有する抗微生物薬――となる。
レルミナは「慎重投与」に「粘膜下筋腫のある患者」を、プラケニルは「重大な副作用」に「QT延長、心室頻拍」をそれぞれ追記する。
抗微生物薬では、厚労省健康局結核感染症課が19年12月5日に発行した「抗微生物薬適正使用の手引き 第二版」を踏まえ、中耳炎の効能・効果を有する抗微生物薬(小児を禁忌とする薬剤を除く)について、抗菌薬の投与が適切と判断される場合に投与する旨を追記する。
添付文書の改訂指示があった医薬品は次の通り。
▽レルミナ錠(一般名:レルゴリクス、製造販売元:あすか製薬)
薬効分類:249 その他のホルモン剤
指示概要:「慎重投与」の項に、「粘膜下筋腫のある患者」を追記。「重要な基本的注意」の項に粘膜下筋腫のある患者において重度の不正出血が現れることがある旨を追記。
過去3年間の国内報告数のうち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例は10例。医薬品と事象による死亡との因果関係が否定できない症例0例。
改訂理由:国内で重度の不正出血関連症例が集積し、因果関係の否定できない症例はいずれも粘膜下筋腫のある患者又は粘膜下筋腫の存在が強く疑われる患者であったことから、専門委員の意見を踏まえ、改訂することが適切と判断した。
▽プラケニル錠(ヒドロキシクロロキン硫酸塩、サノフィ)
薬効分類:399 他に分類されない代謝性医薬品
指示概要:「重大な副作用」の項に、「QT延長、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)」を追記。
過去3年間の国内報告数のうち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例は0例。
改訂理由:海外症例が集積されたことから、専門委員の意見を踏まえ、改訂することが適切と判断した。
▽中耳炎の効能・効果を有する抗微生物薬(小児を禁忌とする薬剤を除く)62成分
指示概要:「効能又は効果に関連する使用上の注意/効能又は効果に関連する注意」の項に(この項がない場合は新設)、中耳炎に使用する際は「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬の投与が適切と判断される場合に投与する旨を追記する。
改訂理由:2019年12月5日に「抗微生物薬適正使用の手引き」が第二版に改訂され、小児の中耳炎治療に関する内容が追加されたことから、専門委員の意見を踏まえ、改訂することが適切と判断した。
対象成分は次の通り。▽アジスロマイシン水和物▽アズトレオナム▽アモキシシリン水和物▽クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物▽アンピシリン水和物▽アンピシリンナトリウム▽エリスロマイシン▽エリスロマイシンエチルコハク酸エステル▽エリスロマイシンステアリン酸塩▽オフロキサシン▽カナマイシン硫酸塩▽クラリスロマイシン▽クリンダマイシン塩酸塩▽クリンダマイシンリン酸エステル▽クロラムフェニコール▽クロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウム▽ゲンタマイシン硫酸塩▽ジベカシン硫酸塩▽ジョサマイシン▽ジョサマイシンプロピオン酸エステル▽スピラマイシン酢酸エステル▽スルタミシリントシル酸塩水和物▽セファクロル▽セファゾリンナトリウム水和物▽セファゾリンナトリウム▽セファレキシン▽セファロチンナトリウム▽セフィキシム水和物▽セフェピム塩酸塩水和物▽セフォゾプラン塩酸塩▽セフォチアム塩酸塩▽セフカペン ピボキシル塩酸塩水和物▽セフジトレン ピボキシル▽セフジニル▽セフタジジム水和物▽セフテラム ピボキシル▽セフトリアキソンナトリウム水和物▽セフポドキシム プロキセチル▽セフメノキシム塩酸塩▽セフロキサジン水和物▽セフロキシム アキセチル▽テトラサイクリン塩酸塩▽テビペネム ピボキシル▽デメチルクロルテトラサイクリン塩酸塩▽ドキシサイクリン塩酸塩水和物▽トスフロキサシントシル酸塩水和物▽ドリペネム水和物▽ノルフロキサシン▽バカンピシリン塩酸塩▽パニペネム・ベタミプロン▽ファロペネムナトリウム水和物▽フロモキセフナトリウム▽ベンジルペニシリンカリウム▽ベンジルペニシリンベンザチン水和物▽ホスホマイシンカルシウム水和物▽ホスホマイシンナトリウム▽ポリミキシンB硫酸塩▽ミノサイクリン塩酸塩▽メロペネム水和物▽リンコマイシン塩酸塩水和物▽ロキシスロマイシン▽塩酸ロメフロキサシン――。