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重篤副作用対策検討会 16疾患のマニュアル改訂を了承 ステロイドとの関連不明で特発性大腿骨頭壊死症は削除

公開日時 2020/09/04 04:50
厚生労働省が9月2日に開催した第12回「重篤副作用総合対策検討会」で、16疾患の重篤副作用疾患別対応マニュアルの改訂案が了承された。また、2011年に公表された特発性大腿骨頭壊死症のマニュアルの削除が決まった。ステロイド投与と特発性大腿骨頭壊死症の発生の直接的な関係については現時点で証明されていないことから、今年8月に日本整形外科学会がマニュアルの削除を求める要望書を提出していた。

重篤副作用総合対策検討会では最新の知見を踏まえ、2016年度から20年度までの5年間で既存の75マニュアル、新規に必要とされた5マニュアル、計80マニュアルの改訂・作成作業を行っている。これまで2つの新規疾患を含む26のマニュアルが改訂・作成されたが、今回、新たに改訂が了承された16疾患は以下の通り。うち再生不良性貧血については最新の改訂案が示されなかったため、後日構成員に再送付して正式に了承される見込み。

▽尿閉・排尿困難▽出血性膀胱炎▽新生児薬物離脱症候群▽卵巣過剰刺激症候群▽血栓症▽播種性血管内凝固▽薬剤性貧血▽再生不良性貧血▽偽膜性大腸炎▽重度の下痢▽消化性潰瘍▽麻痺性イレウス▽急性膵炎▽アカシジア▽セロトニン症候群▽心室頻拍

一方、削除が決まった特発性大腿骨頭壊死症のマニュアルについては、ステロイド投与と特発性大腿骨頭壊死症の発生の直接的な関係については不明な点もあったことから、マニュアルの作成時より「現時点で副作用と呼ぶべきかどうかは不明」との記載が盛り込まれていた。また日本整形外科学会は「特発性大腿骨頭壊死症がステロイドによる副作用であるという誤認を与え、原疾患の適切な治療機会を逸失するおそれがある」点を指摘している。

参考人として説明に立った同学会の菅野伸彦氏(大阪大学整形外科教授)は、「ステロイド性が指摘され、20年以上研究してきたが因果関係が証明できなかった。明らかに骨粗鬆症とは異なる」と述べ、マニュアル削除への理解を求めた。一方、厚労省は「マニュアルは削除するものの、添付文書やガイドラインではステロイド投与が危険因子であることが記載されていることから、これらの注意喚起は引き続き必要」との認識を示している。
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