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加藤厚労相が今後のコロナ対策発表 病床利用は重症者優先 同時流行は「かかりつけ医」軸に体制整備

公開日時 2020/08/31 04:50
加藤勝信厚労相は8月28日の記者会見で、「新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組」について発表した。感染者の8割が軽症者や無症状者であることから、宿泊療養(適切な者は自宅療養)を徹底し、病床利用などの医療資源を重症者に重点化する。これに伴い感染症法上の入院勧告等の権限の運用については、「政令改正も含め柔軟に見直す」とした。一方、今秋以降の季節性インフルエンザとの同時流行に備え、抗原簡易キットを大幅拡充(20万件/日程度)する。かかりつけ医等の地域で身近な医療機関において、必要な感染予防策を講じた上で、相談・外来診療・検査を行う体制を整備するとした。なお、これら施策は予備費により措置する。

新型コロナウイルスの感染者は、これまでの知見から、8 割は軽症者または無症状のまま治癒するが、2 割で肺炎症状が増悪し、人工呼吸器管理などが必要になるのは5%程度に止まることは分かっている。一方で若年層では重症化割合が低く、65 歳以上の高齢者や慢性呼吸器疾患、糖尿病、肥満などを有する者で重症化のリスクが高いことが判明している。

新型コロナ感染症は感染症法において指定感染症として入院勧告などの権限の範囲が結核やSARS、MERSと同じ「2類相当」として運用されてきた。このため保健所や医療機関の負担軽減や病床の効率的な運用を図る観点から、医療資源を重症患者に重点化する方針を明示。軽症者や無症状者については自宅療養を含む宿泊療養での対応を徹底するとし、感染症法上の入院勧告等の権限の範囲についても、政令改正も含めて柔軟に見直すとした。

◎季節性インフルエンザとの同時流行に備える 検査1日平均20万件程度に拡充

今秋以降、季節性インフルエンザと新型コロナの同時流行に備え、検査体制、医療提供体制を確保・拡充する。検査体制については、国が都道府県に指針を示し、地域における外来診療の医療提供体制と検体採取体制を踏まえて早期に新たな検査体制整備計画を策定するよう要請するとした。検査需要に対応するため、季節性インフルエンザに加え、新型コロナウイルス検査も、地域の医療機関で簡易・迅速に行えるよう、抗原簡易キットによる検査を1日平均 20 万件程度に拡充する。

◎地域の診療所を「検査協力医療機関」として都道府県が指定も

外来・検査体制の整備でカギを握るのが地域の「かかりつけ医」だ。発熱や倦怠感などの症状を訴える患者は、かかりつけ医など最寄りの診療所や地域外来・検査センターに電話予約した上で、相談・受診する。厚労省は、かかりつけ医(地域の診療所等)について、都道府県が登録・指定した「検査協力医療機関」を想定している。地域のかかりつけ医がゲートキーパーとなり、宿泊療養や入院の振り分けなどを行う。また、地域の診療所等で十分な検査体制を確保できない場合は、地域外来・検査センターを拡充し、検査体制を確保するとした。 

◎患者受入れで大幅減収の医療機関、大学病院に支援

新型コロナ患者を受け入れたたことで大幅な減収となっている医療機関、大学病院に対し、医療機関の安定的な経営を確保するため更なる支援を行う。また、新型コロナ患者への医療を含め、感染防止の観点から、地域の医療提供体制を維持・確保するための取り組みや支援を進めるとした。さらに、感染拡大が急激に進展し病床がひっ迫した都道府県に対して、他都道府県からの応援や都道府県知事からの要請による自衛隊の災害派遣等により、必要な支援を行う。また、ECMO が必要な重症患者に対して、全国の医療関係者のネットワーク(ECMOnet)の協力を得て、診療 支援を行うことなども盛り込んだ。


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