杏林製薬 米社と感音難聴の新薬候補化合物で契約締結
公開日時 2020/08/05 04:49
杏林製薬は8月3日、米国オトノミィ(Otonomy)社と杏林製薬が創製した感音難聴を対象とした新規開発候補化合物について、ライセンス契約を締結したことを発表した。杏林製薬は、キョーリン製薬ホールディングスの子会社。
杏林製薬はオトノミィ社に、難聴などの耳科を対象とする新薬の全世界における開発、製造、販売に関する独占的権利を供与し、同社より契約一時金及び開発から発売までの進展に応じたマイルストンペイメント、また発売後には、正味売上高に対する一定率のロイヤリティおよび販売マイルストンを受ける。杏林製薬は日本における販売の権利を留保している。
新薬は、騒音の曝露や加齢などによって損傷を受けた有毛細胞を再生させることにより、感音難聴の患者の聴力回復を促すことが期待されている。オトノミィ社は独自の耳科用の薬物送達技術を保有し、単回局所投与で内耳への持続的な放出を実現できる。
感音難聴は、内耳の蝸牛有毛細胞や聴神経線維を含む感覚系の障害によって音が聞こえにくくなる一般的な疾患。現在、感音難聴に対して治療法はなく、薬剤も開発されていない。