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東京都医師会・尾﨑会長「新型コロナウイルスに夏休みはない!」 直ちに国会召集を訴え

公開日時 2020/07/31 04:50
東京都医師会の尾﨑治夫会長は7月30日に会見し、新型コロナウイルスの感染者数が再び増加していることに危機感を示し、「今すぐに国会を召集し、法改正をお願いしたい。いまが感染拡大を抑える最後のチャンスだ」と強く訴えた。都内だけでなく、大阪府や愛知県、福岡県、沖縄県など感染者数の増加が全国へと拡大する懸念があるなかで、国をあげた一刻も早い取り組みの必要性を強調。「新型コロナウイルスに夏休みはない。国ができること、しなければならないことを国民に示し、国民・都民を安心させてほしい。これは私たちにはできないことで、政治の役割だ」と強調した。

会見の冒頭、尾﨑会長は「今日は言いたいことを言わせてもらう」と吠えた。尾﨑会長は、新型コロナの感染拡大を抑えるために、「無症状者を含めた感染者の積極的隔離がまず必要だ。エピセンター(感染の震源地)の存在を徹底的にたたくことが必要だ」と述べた。感染者を特定し、14日間隔離することで、新型コロナウイルス感染症の拡大を抑え込む考えだ。

ただ、東京都では4月初旬から夜の街でクラスターが発生したが、エピセンターを抑え込むまでには至らず、これが現在の感染拡大につながっている。都の感染拡大防止協力金は上限が50万円で、「協力金50万円もらっても、家賃にもならないと要請には応じてくれない」と述べ、自治体の休業要請だけでは限界があると指摘。「休業をお願いするのでは、日本全体がどんどん感染の火だるまに陥っていく」と危機感を露わにした。こうした課題は東京都に限った課題ではないとして、「国が動いて、国が法改正をして一斉に進める。それが日本全国に広がる火種を消し去る唯一の方法」として、特措法改正などを視野に入れ、改めて法的拘束力を持つ、補償を伴う休業要請の必要性を強調した。

また、感染の震源地(エピセンター)を特定するうえで、公衆衛生的に必要な(行政検体)としてのPCR検査の拡充も重要になる。研究施設や大学、研究機関などの協力を得て、迅速に多くのPCR検査ができる体制を確立する必要性を指摘。感染症法の法改正が必要である可能性も示唆した。なお、この日の会見では、東京都医師会としてのPCR検査の拡充について提言した。保険診療下でのPCR検査については、地域のかかりつけ医が唾液によるPCR検査を活用することで、迅速に検査を実施する姿を描いた。地域包括ケア圏内(学校区)に1つの検査センターとして都内で1400か所(人口1万人当たり1か所程度)へと拡大する必要性を指摘した。また、二次救急病院では発熱患者などに対して、院内感染を防ぐ目的からも、都内約250か所に自己完結型PCR検査機器を配備することなども提言した。また、介護施設などでの集団感染にPCRカーを派遣し、迅速に集中的に検査を行える迅速PCR検査チームを創設することも重要とした。

尾﨑会長は、「私は法律家でも政治家でもない。特別措置法や感染症法の具体的な内容は政治家の先生が考えればいいことだ」と述べたうえで、「法的拘束力をもった休業要請ができないことで、根本的にエピセンターを叩けない」として法改正がなければ根本的な対策が難しいことを改めて強調。「国会議員の先生方が現状を突破するために必要だと判断いただけるならば迅速に議論をしていただき、早急に変えていただきたい」と訴えた。
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