MSD 抗真菌薬ノクサフィルの点滴静注製剤を発売
公開日時 2020/07/22 04:49
MSDは7月21日、深在性真菌症治療薬ノクサフィル点滴静注300mg(一般名:ポサコナゾール)を発売した。造血幹細胞移植患者や好中球減少が予測される血液がん患者における深在性真菌症の予防や、真菌症の治療に用いる。新規のアゾール系抗真菌剤で、真菌細胞の細胞膜を構成するエルゴステロールの生合成を阻害し、各種酵母様真菌および糸状菌に対して抗真菌作用を示す。
4月にはノクサフィルの錠剤を発売した。吐き気や口腔粘膜障害など服用が困難な場合に点滴静注製剤を、服用できるようになったら錠剤を用いるといった使い分けがなされそうだ。
深在性真菌症は、臓器または全身性の重篤な感染症で、早期の診断・治療が求められる。リスク因子として同種造血幹細胞移植や好中球減少などがあるが、診断が困難で、発症すると予後が不良なため、同種造血幹細胞移植後や血液がんの化学療法などでは、抗真菌薬の予防投与が国内外のガイドラインで推奨されている。
点滴静注製剤の薬価は、300mg16.7mL1瓶 2万8508円。中医協資料によると、10年後のピーク時に投与患者数2.8千人、売上は7.1億円。