楽天メディカル 独メルク社とセツキシマブの供給で複数年契約
公開日時 2020/07/09 04:50
楽天メディカルは7月8日、Merck KGaA(独メルク)との間で、セツキシマブ・サロタロカンナトリウム(ASP-1929)の研究開発と商業化に用いるセツキシマブの供給に関する複数年契約で合意したと発表した。同剤は、抗体と色素の複合体で、抗体成分側の中間体として独メルク社のセツキシマブを使用している。同社は、今回の契約を踏まえ、再発頭頸部がんに対する開発を進める方針。
セツキシマブ・サロタロカンナトリウムは、独占的ライセンスを有する光免疫療法により開発された技術基盤であるイルミノックスを基に開発された最初の開発品。セツキシマブと光感受性物質のIRDye700DXで構成されている。同剤は、頭頸部がん、食道がん、肺がん、結腸がん、すい臓がんなど様々な種類の固形がんに発現する上皮成長因子受容体(EGFR)に結合。がん細胞と結合後、非熱性赤色光(690nm)を専用のレーザ照射システムを用いて照射することにより局所的に励起される。厚生労働省から先駆け審査指定制度の対象品目として指定されており、条件付き早期承認制度の適用のもと申請を行った。一方、米国FDAからファストトラックに指定され、再発頭頸部がんの国際第3相臨床試験を現在実施している。
楽天メディカルの三木谷浩史会長兼最高経営責任者は、「ワールドクラスの企業と提携することで、がんを克服するという使命を遂行する」と強調した。