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AZ 新型コロナワクチンの供給で日本政府と協議開始 国内製造は第一三共と明治グループで

公開日時 2020/06/29 04:52
アストラゼネカ(AZ)日本法人は6月26日、英オックスフォード大学と開発している新型コロナウイルスワクチン「AZD1222」(開発コード)について、承認取得後の日本国内の供給に向けて、日本政府と具体的な協議を進めることで合意したと発表した。国内臨床試験の開始時期や組み入れ数のほか、供給量や供給に係る各種費用などを協議する。また、AZは日本国内にワクチンの製造設備を持たないため、第一三共と、明治グループのMeiji Seikaファルマ及びKMバイオロジクスの計3社と、国内製造や保管・配送など接種に必要な準備を進めることでも合意した。AZは、同ワクチンの国内承認取得後に可能な限り早く供給できるよう、いまから準備を進める。

AZは、「パンデミック期間中においては、営利を目的とせずワクチンを供給することを考えている」としている。

■日本でも臨床試験を実施予定

同ワクチンはオックスフォード大が見出したもので、AZは世界的な開発・販売について同大と提携契約を結んだ。現在、共同開発中で、臨床試験でワクチンが有効であることが示されれば、AZが製造や供給を担う。同ワクチンはグローバルP2の段階にあり、現時点では日本は含まれていない。AZ広報部によると、日本でも同ワクチンの臨床試験を行う予定だが、現在実施中のグローバルP2や今後実施予定のグローバルP3に日本も参画するスキームとなるかどうかなど詳細は未定という。

同ワクチンの承認取得後の安定供給に向けて、AZが第一三共、Meiji Seikaファルマ、KMバイオロジクスの3社にパートナーシップを呼びかけ、協議を進めることで合意した。AZ広報部は本誌に、「3社は国内のワクチン事業で経験豊富なため、パートナーシップを組むことが適切と考えて、お願いした」と説明した。

■第一三共バイオテックとKMバイオが製剤化

第一三共はこの日、同ワクチンの国内における製剤化(バイアル充填、包装、保管等)などについて、AZと協議を進めることで合意したと発表した。第一三共によると、同ワクチンの国内での製剤化は子会社の第一三共バイオテックがAZから原液供給を受けて実施する予定という。「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業」の設備の活用も検討する。第一三共は、「AZと協議のうえ、ワクチンの国内安定供給に必要な準備を進めていく」としている。

Meiji SeikaとKMバイオもそれぞれ、同ワクチンの国内供給に関してAZと協議を進めることで合意したと発表した。Meiji SeikaとKMバイオによると、KMバイオがAZから原液の提供を受けて製剤化(バイアル充填・包装)した後、Meiji Seikaが保管・配送を担う予定。両社は、「AZと協力して国内流通に必要な準備を行う予定」としている。
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