UAゼンセン 「治療薬・ワクチン開発に支援を」安倍首相に要請
公開日時 2020/05/28 04:49
国内最大の産業別労働組合UAゼンセンは5月27日、安倍晋三首相と加藤勝信厚労相に対し、新型コロナウイルスへの感染を防止しながら経済活動を行う「新しい生活様式」が始まるなか、労働者が安全に働き、生活を維持していくことができるよう要請した。そのためには治療薬やワクチンの開発が必要だとして、開発・生産にかかる資金や設備投資に対する支援を求めている。
要請は、①「新しい生活様式」に対応する労働者の安全確保と働き方の支援 、②雇用の維持、事業の継続と倒産防止対策の強化、③医療提供体制の強化および治療薬、ワクチン開発の推進―の3本柱からなる。
治療薬やワクチン開発の推進については、「あらゆる支援を強化し、国内ワクチン開発および原薬等の生産に向けた資金、設備投資に対するさらなる追加の支援を行うこと」とした。また医療提供体制については、院内感染を防止するため、医療従事者への感染検査、発熱外来の整備、病院受診時の患者の感染リスク確認等の措置を促進し、支援を行うほか、オンライン診療推進のための設備投資に向けた支援を行うよう求めた。
このほか「新しい生活様式」に対応した働き方を目指すため、▽PCR検査や抗原検査、抗体検査を国民の生活や経済の安定確保に不可欠な業務を行う事業を中心に優先順位を決めて、必要とする労働者が全員検査を受けられるよう体制を整えること、▽労働者やその家族が感染や、その看護のため仕事を休む場合に、2 週間の病気有給休暇を創設すること-などを要請。雇用調整助成金のスピーディーな給付や助成対象の拡大などにより、雇用の維持、事業の継続と倒産防止対策の強化を行うことも合わせて求めた。
UAゼンセンは、繊維や化学、食品、流通など国民生活に関連する産業の労働者が結集して組織した産業別労働組合。製薬業界でも約40組合が加盟している。