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「緊急事態宣言」踏まえ日医・横倉会長 地域医療守るかかりつけ医の重要性を強調

公開日時 2020/04/08 04:53
緊急事態宣言を受け、日本医師会の横倉義武会長は4月7日会見に臨み、地域医療を守る観点から、かかりつけ医が機能を発揮する重要性を強調した。新型コロナウイルス感染症以外の疾患への対応を維持するためにも、「それぞれの地域で役割分担についてしっかり話し合うことが重要だ」と述べた。横倉会長は、新型インフルエンザやSARS(重症急性呼吸器症候群)での経験を踏まえ、「(受診時など)入口で相談できる体制を作っていかないといけない」とかかりつけ医の重要性を強調。この日、初診を含めて全面解禁となったオンライン診療についても、相談などの形で活用する必要性を指摘した。

◎「医療現場はまさに危機的な状況だ」 緊急事態宣言を発出した会見で安倍首相


「医療現場はまさに危機的な状況だ」―。東京都など7都府県に「緊急事態宣言」を発出した安倍晋三首相は、記者会見でこう述べた。政府の足下である東京都では、新規感染者が100人超となる日が出始め、患者が倍増する期間も5日間となった。感染症病床もひっ迫する。こうしたなかで、「現状ではまだ全国的かつ急速な蔓延には至っていないとしても、医療提供体制が逼迫している地域が生じていることを踏まえれば、もはや時間の猶予はないとの結論に至った」と語った。

◎軽症者は自宅療養 オンライン診療で健康状態を把握

この日、改訂された政府の基本的対処方針では、患者が増加した地域については重症者に対する医療提供に重点を移すため、軽症者は自宅療養とするほか、オンライン診療で健康状態を把握するとともに、医師が必要とした場合にオンライン診療を行う体制整備を求めている。さらに患者が増加し、帰国者接触者外来で医療提供の限度を超える場合には、一般医療機関で外来診療を行う。また、感染の不安で安易に医療機関を受診することでリスクを高める可能性があることから、症状が軽度の場合は自宅療養を原則とし、状態が変化した場合に、かかりつけ医に相談したうえで受診することを求めている。

◎オンライン診療の初診解禁 診察必要な患者には対面診療を

かかりつけ医が患者のトリアージを行い、適切な医療に結び付けることの重要性が増すなかで、従来以上に機能発揮が求められる。こうしたなかで、焦点となったのが、初診でのオンライン診療の活用だ。この日、安倍首相は、規制改革推進会議の意見を踏まえて、「電話、オンラインでの診療も初診も含めて、解禁する」と述べた。電話などでアクセスが可能な、全国1000施設程度の医療機関名と連絡先などの情報を公表する方針。医薬品の横流しなどのリスクに対応するため、医薬品の処方に一定の制限を行う。また、必要に応じてフォローアップを可能とするため、必要に応じた対面診療への意向や、あらかじめ承諾を得た他医療機関に紹介できることを条件とする。議論の過程では、誤診の恐れなどがあることから、厚労省や日本医師会は、初診対面原則を見直すことに難色を示していた。

横倉会長は、「ウイルスが蔓延している間は、ある程度オンラインでの診療をすすめていかなければならない。ただ、問題はすべての患者が初診で適切な診療につなげられるかと言うと、我々医師としては不安がある」との見解を表明。「オンラインで相談していただいて、医師が一度診たほうがいいとなった場合は、必ず診察を受けていただくことが必要だ」との見解を示した。

◎医療崩壊を防ぐことの重要性 医療従事者も「休む勇気も必要だ」

このほか、横倉会長は、医療崩壊を防ぐことの重要性も増すなかで、医療従事者自らが毎日検温することの重要性を強調。国民を守るためにも、「仕事に行くときに無理せずにという勇気を持ちましょう。休む勇気も必要だ」と述べた。


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