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厚労省 新型コロナで抗HIV薬の安定供給呼びかけ 製薬各社はワクチン開発にアクセル

公開日時 2020/02/13 04:50
新型コロナウイルスによる肺炎(COVID-19)への有効性が報告されている抗HIV薬の安定供給に向け、厚労省医政局経済課は2月12日、事務連絡を発出した。在庫状況や製造の見通しを確認し、増産や納入量の調整を行うなど必要な措置を講じることを求めている。COVID-19をめぐる製薬各社の動きも活発になっている。グラクソ・スミスクライン(GSK)はこの日までに、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)と連携し、ワクチン開発に取り組むと発表した。なお、WHOは新型コロナウイルスによる肺炎の正式名称を「COVID-19」に決めた。

厚労省医政局経済課は、日本製薬団体連合会、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会宛に事務連絡「新型コロナウイルスに関連した感染症発生に伴う医療用医薬品の安定供給について」を発出した。

抗HIV薬での治療については世界各国で報告が相次ぎ、国内でも国立国際医療研究センターの研究グループが症状に改善傾向がみられた事例を報告している。事務連絡では、「在庫確保のための急激な受注の増大等が想定される」と指摘。本来必要とする患者への安定供給に支障が生じないよう、製薬各社の対応を求めている。

◎GSK CEPIと連携 基盤技術活用でワクチンの増産可能に

製薬各社もワクチン開発を急ぐ。すでにジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)やギリアドなどが開発に乗り出すなか、GSKもこの日までに、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)と連携し、ワクチン開発に取り組むと発表した。アジュバントの基盤技術を提供する。1回の接種に必要な抗原量を抑えられ、ワクチンの増産が見込めるとしている。

新型コロナウイルスに関するワクチン開発について、CEPIは、オーストラリアのクイーンズランド大学や、米国のInovio社、Moderna社、米国立アレルギー・感染症研究所との提携を発表している。関連企業の連携により、対策がスピーディーに進むことも期待される。GSKはすでに、クイーンズランド大学の間で、最初の合意が成立しているという。

◎検疫官1人も感染 感染拡大のクルーズ船での業務で 入国拒否の範囲拡大

一方で、国内での感染は拡がりをみせている。厚労省は12日、神奈川県の横浜港に寄港しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で、検疫に対応していた検疫官1人の感染が確認されたと発表した。すでに入院治療を行っており、濃厚接触者については外出自粛を指示しているという。

こうしたなかで、政府は入国を拒否する対象範囲に、中国浙江省での滞在歴がある外国人なども入国拒否の対象に追加すると発表した。13日午前0時から施行される。これまでは入国申請前の14日以内に中国・湖北省に滞在歴がある外国人と、湖北省で発行されたパスポートを所持する外国人について、特段の事情がない限り、入国を拒否する措置を実施していた。

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