ヘルスケアに照準を合わせるビジネスの転換
公開日時 2020/01/31 00:00
編集長沼田佳之ビッグデータや人工知能(AI)の活用に期待感が高まるなかで、製薬産業のビジネススキームに変化が見え始めた。田辺三菱製薬は2月末に東証への上場廃止を決定し、三菱ケミカルホールディングスの完全子会社となる。一方、帝人も帝人在宅医療の社名を4月に変更し、「帝人ヘルスケア」として生まれ変わる。いずれも人口の高齢化や政府の推し進める健康寿命の延伸を睨んだもので、社会構造や社会システムの変化にビジネスの裾野を広げる戦略だ。健康、予防、未病、そして治療後のケアを睨んだ新たなビジネスの挑戦が始まろうとしている。データヘルスの時代がやってくる――。ウェアラブル端末の普及がここにきて急速に拡がっている。企業も健康経営や働き方改革に取り組んでおり、これまでに増して社会的な健康志向が強まってきた。政府...